■痛みを放置していませんか
3A病棟 緩和ケア認定看護師 安藤 恵美
痛みを感じたとき、ご自身の判断で市販の鎮痛剤を用いて対処していませんか。鎮痛剤は痛みの緩和には有効ですが、痛みの原因を治療する薬ではありません。些細な痛みが病気の不調のサインだったということもありますので早めの受診をお勧めします。受診の際には痛みが(1)いつから(きっかけ)(2)どこが(3)どんなふうに(4)痛みによる日常生活の問題について確認してください。この項目を受診の際に伝えていただけると、痛みの種類や対応に役立ちます。
特に高齢者は、我慢を美徳とする精神文化の影響や認知症など年齢に伴う感覚の変化から痛みを訴えない場合があります。動きや睡眠状況、表情や反応など普段との違いから骨折に気づいた例もあります。体の苦痛を訴えることができず、ぼんやりしていることが増えた、物忘れが多いなど、一見認知症の症状と似た反応で現れることもあります。つらさを言えない方こそ、ご家族や周囲の方による日頃からの注意深い関心が早期発見のカギとなります。
痛みを放置し慢性的になると、痛みの伝達物質が増加し、痛みを和らげる働きが弱くなります。慢性化した痛みは些細な刺激も痛みと感じ、治りにくくなります。痛みのために意欲や集中力の低下、不眠など日常生活に支障をきたす恐れもあります。
痛みは体からの危険を知らせるサインです。先々後悔しない為にも早めに受診しあなたらしく健やかな生活を送ることが出来るようにしましょう。
問合せ先:下田メディカルセンター
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