皆さんは、「障がい者」についてどんなことを知っていますか?法律上で定められる「障がい者」は、「身体障がい、知的障がい、または精神障がいがあるため長期にわたり日常生活、または社会生活に相当な制限を受ける者」と定義されています。
この特集では、見た目では分かりにくく、20人に1人※が病気を抱えているという「精神障がい」についてご紹介します。
障がいについて知ることが、身近な誰かのためになるかもしれません。
※内閣府令和5年版障害者白書より
■「精神障がい」って?
「精神障がい」とは、精神疾患のため精神機能に障がいが生じ、日常生活や社会参加に困難をきたしている状態のことを言います。主な精神疾患の種類には、統合失調症、気分障害(うつ病、双極性障害など)、アルコール・薬物依存症、不安障害(神経症)などがあります。周囲の人の援助や服薬、環境の整備により、症状をコントロールして働くこともできます。
■主な症状
精神障主な症状には、次のようなものがあります。
・意欲…興奮、自発性低下、意欲減退
・自我意識…作為体験(自分の行為を他者にさせられていると体験)
・知覚…幻聴(現実にない音が聞こえる)
・嗜癖(しへき)的行動…(望ましくないとわかっていても、飲酒などが止められない)
・思考…妄想(現実にはあり得ないことを思い込み、訂正しづらい)、滅裂(思考がまとまらない)
・感情…抑うつ気分、感情平板化、高揚気分、不安
■どんな支援があるの?
「医療」「福祉」「就労」「教育」「権利擁護」などの支援があります。これらの支援の活用が、社会参加への一歩を踏み出すきっかけになることもあります。障がい福祉課にご相談ください。
■望まれる心配り
精神障がいのある人と接するには、正しい知識を持つことが必要です。例えば、次のようなことを心掛けてみましょう。
・薬の中断やストレスの強弱によって症に変化が出ます。生活のささいな変化に気を配り、休養をとるうに働きかけましょう。
・必要以上に励ましたり、精神的負担となるような行為は控えましょう。
・相手が不安を感じないよう、穏やかに根気よく話を聞きましょう。
・症状など、プライバシーに配慮した対応をしましょう。
・困ったときはお互い様。助け合う気持ちを大切にしましょう。
■「ゆめワーク」って?
「ゆめワーク」は、大仁地区の福祉村にあり、相談・居場所・就労の3つの機能を持つ施設です。主に精神障がいを持つ利用者が、安心して生活を送ることや、就労のための社会性や協調性を身に付けるためにこの場所で過ごしています。
◆サポートセンターゆめワーク
相談支援事業所…不安や心配事を専門職員が一緒に考え、解決を目指します。
地域活動支援センター…仲間との交流や創作活動や地域行事への参加を通し、より良い生活を送ることを目指します。
◆就労支援事業所 田方・ゆめワーク
利用者に、軽作業やパン製造・販売などの機会を提供し、就労することを目指します。ゆめワーク以外にも、市内には、相談支援事業所・就労支援事業所があります。
ゆめワーク以外にも、市内には、相談支援事業所・就労支援事業所があります。
定期的に韮山福祉保健センターや大仁庁舎で販売しています。
1位:ロングフランク
2位:ツナパン
3位:チョコパン
▽就労支援を利用中
杉山さん
作業訓練を始めて約10年。全ての作業ができるようになりましたが、1番好きなのは屋外での作業です。バレーボールなどのレクリエーションが良い気分転換になっています。
▽地域活動支援センターを利用中
鈴木さん
同じ悩みを持つ仲間と話をしたり、季節に合わせた工作や料理を作って過ごしています。スタッフはとても優しく、私にとって居心地の良い場所となっています。
▽サポートセンターゆめワークスタッフ
精神保健福祉士 杉山(すぎやま)美幸(みゆき)さん
仕事をする上で最も心がけていることは「本人主体」であること。一人一人の症状を知り、各自の能力を引き出せるようにサポートしています。この場所が、「家から一歩踏み出す場」として知ってもらうためにも、地域や関係機関との連携を強化していくことが大切だと考えています。
■あなたの理解が共生社会への一歩です
精神障がいをはじめ、障がいは外見でわかりにくく、正しい知識が普及していないことが原因で誤解や偏見、差別の対象となりやすいのが現状です。
私たちの暮らす地域には、さまざまな心身の特性を持つ人たちが暮らしています。全ての人が共生できる「心のバリアフリー」社会を目指すためには、あなたの「障がいに対する理解」が必要です。障害者週間をきっかけに一歩を踏み出してみませんか?
■「障害者週間」に合わせた市の取り組み
▽啓発活動
日時:12月8日(金)10時~12時
場所:アピタ大仁店、マックスバリュ伊豆長岡店
内容:障害者週間の啓発活動や市内就労支援事業所の特色や仕事の内容の紹介など
▽ポスターの展示とチラシの配架
日時:12月3日(日)~9日(土)
場所:市内各施設
内容:市内就労支援事業所や仕事内容の紹介など
「障がい」の表記について、法令などに基づくものや固有名詞は、「障害」という表記を使用します。
問合せ:障がい福祉課
【電話】0558-76-8007
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