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文化財通信 その219

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静岡県伊豆の国市

昭和33年(1958)9月26日に伊豆半島を襲った台風22号は狩野川流域に1時間80〜120ミリの猛烈な雨を降らせ、濁流となった狩野川は田方平野に甚大な被害をもたらしました。いわゆる『狩野川台風』です。その発生から今年で65年が経ちます。
狩野川台風は、田方平野の生活を一夜にして一変させ、その後の産業やまちづくりに大きな影響を与えました。
大仁橋と大門橋は橋の半分が流失し、流域の民家の多くが床上浸水したり流されたりしました。また、刈り取り直前まで育った稲が冠水または埋没するなど、農作物にも甚大な被害をもたらしました。伊豆地域の死者・行方不明者は853人、堤防の決壊は14カ所、被害家屋は6,775戸に及びました。特に人的被害が大きかったのは、伊豆市熊坂地区、伊豆の国市白山堂地区、御門地区、南條地区でした。隣接する堤防が決壊したこと、また決壊が夜間であったことも災いし、多数の犠牲者を出すこととなったのです。
発災後は地元住民や自衛隊、全国からの救援物資や寄付などによって徐々に復興を遂げていきます。
昔からたびたび氾濫し人々を悩ませていた狩野川は、それまでにも多くの治水工事を重ねていました。さらに狩野川台風を契機に、台風発生前から議論されていた狩野川放水路の建設(昭和40年竣工)、神島橋から大門橋までの流路の直線化(昭和41年竣工)、江間堰(せき)の撤去(昭和48年)が行われるなど、洪水を防ぐための工事が、次々と行われました。その後も堤防のかさ上げを継続するなど、狩野川を取り巻く環境は少しずつ変化し、現在に至っています。

問い合わせ:文化財課
【電話】055-948-1428

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