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文化財通信 その234

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静岡県伊豆の国市

■宗徳寺の平安仏群
長岡山宗徳寺(ちょうこうさんそうとくじ)は伊豆の国市長岡に所在する寺院です。今回は宗徳寺に伝わる仏像群を紹介します。
宗徳寺の寺伝によると、伊豆の国市の「長岡」という地名は、桓武天皇に仕えた勝田朝臣仙光(かつたのあそんせんこう)という人物が、無実の罪により現在の宗徳寺の地に流刑となった際に、この地が長岡京に似ていたことから名付けたとされます。後に都に戻った勝田をしのび、地元の人々が建てた「勝田山仙光寺(かつたさんせんこうじ)」が、長い年月の中で姿を変え、現在の宗徳寺となりました。
宗徳寺にはご本尊をはじめ、いくつかの仏像が伝来しています。市では令和4年に、公益財団法人上原美術館の協力のもと、宗徳寺の仏像の調査を実施しました。その結果、寺院に所在する仏像数点が、平安時代に作られたものであることが判明しました。これは、市が把握する市内の仏像の中で、最も古いもののひとつになります。
調査で判明した平安時代の仏像(平安仏)は、9点あります。詳細は不明ですが、過去に土に埋められていた時期もあるといい、全ての像に共通して著しい風化の様子が確認できます。また、欠損が激しく、足など体の一部のみが残った状態の像もあります。写真(1)と(2)は、9点の平安仏のうちの2点です。おのおの右足または左足をわずかに上げ、顎を前に付き出すような姿勢をとっており、仏教の守護神である天部の像であると推測されます。もしかしたら、かつては2対または複数体がセットになった像の一部であったのかもしれません。
紹介した写真の仏像2躯(く)は、宗徳寺の本堂に安置されています。本堂内は見学可能ですが、法事などにより見学ができない場合もありますので、ご注意ください。

問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428

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