望月(もちづき)敬太(けいた)さん
伊豆長岡温泉 源氏あやめ祭 実行委員長
■歴史あるあやめ祭を、新しく変えていく
今年で89年目を迎える、伊豆長岡温泉の一大イベント『源氏あやめ祭』。望月敬太さんは、この祭りの実行委員長を務めています。開催に当たり、三つのテーマを掲げました。
一つ目は、『継承』。約一世紀も続く祭りの歴史を絶やさずに、未来へと継承していくということ。
二つ目は、『変化』。かつての『源氏あやめ祭』は、歌手の演芸会やあやめ御前と源頼政公のパレードが中心でしたが、昨年から内容を一新。源氏山のあやめ御前広場に人工霧を発生させ、数千本の風車を立ててライトアップするなど、写真映えする企画を行うことで、時代のニーズを掴みます。
そして三つ目は、『融合』。伊豆長岡温泉は、『古奈温泉』『長岡温泉』という二つの温泉街が源氏山で分断された立地ですが、源氏山には立派な遊歩道があり、温泉街をつなげる役割をしています。祭りの期間中は、その遊歩道もライトアップし、来場者が双方から行き来しやすくするそうです。さらに望月さんは付け加えます。「二つの温泉街を融合するだけでなく、『観光客』と『地元住民』を融合するお祭りにしたいですね」。
伊豆長岡温泉の老舗旅館に生まれた望月さんは、一度はサラリーマンの道を選びました。しかし、仲間と地元を盛り上げたいと頑張る中で、旅館の五代目を継ぐ道を選び直したのです。望月さんは、温泉街や伊豆の国市にかつてのにぎわいを取り戻そうと、覚悟を決めました。「生まれ変わっても、温泉旅館の跡取りに生まれたいと今は胸を張って言えます」とまっすぐな目で語る望月さん。
今年は、その思いが込もった風車とライトアップを見に、源氏山へ登りましょう。
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