■見上げてみよう!夜空の星を 鷹岡天文クラブ
▽星の世界を鷹岡中学校で
鷹岡中学校の校舎の屋上に、大型の反射望遠鏡が設置された「天体ドーム」があることを知っていますか。1990年代後半に、使用頻度が少なくなり、一時は閉鎖状態になってしまいました。しかし、生徒や保護者の「鷹岡中学校のシンボルである天体ドームを復活させてほしい」という声が高まり、約20年前に修復。見事復活した天体ドームは、現在も地域で大切に受け継がれています。
天体ドームの復活とともに生徒会やPTA主催の星空観察会が始まり、平成16年に市内在住の天文に詳しい人が集まる「鷹岡天文クラブ」が発足しました。発足と同時に「天文教室」が開かれるようになり、現在は年に4回実施されている天文教室で会の皆さんがアドバイザーを務め、観月や星空鑑賞を行っています。近年の天文教室は、鷹岡中学校の生徒のみが対象となっていましたが、今年からは、保護者や地域住民にまで参加対象を広げ、気軽に参加できる形で行っています。
▽本物を肌で感じること
鷹岡天文クラブ代表の望月泰雄さんは、「中学校に大型天体望遠鏡があるという環境は、全国でもとても珍しいと思います。この恵まれた環境で、星などを見て『きれい』だけで終わってしまうのではなく、少しでも天文や自然科学にいいので関心を持ってもらえたらうれしいですね」と笑顔で話します。
鷹岡天文クラブについて望月さんは、「現在のメンバーは5人。私は一番後に加入し最年少ですが、それでも参加して9年になり、51歳です。初期からいるメンバーには、高齢で身体が動かしにくい人もいるため、天文教室を続けていくには人手が不足しています。なので、一緒に活動してくれる新しい仲間が増えたらいいなと思っています」と話してくれました。
さらに近年、まちの明かりにより、夜でも比較的明るい状態が続き、星座の形を追うことが困難になっているそうです。
「それでも、自然科学に目を向けるきっかけになればと思い、20年続いている天文教室を今年も行っています。特に子どもたちには、自ら手を動かして本物にふれてほしいと思っています。今年は望遠鏡だけでなく、双眼鏡も数本持ち込むなどの工夫をし、空を自分から見たくなる仕掛けづくりを行いました」と思いを語る望月さん。今後について伺うと「市内から広く天文教室の参加者を募るなど、今まで以上に鷹岡中学校の天体ドームが開かれた存在になったらいいなと思います。個人的には、昼間に太陽を観察したり、明るい場所で機材の扱いを教えたりできたらうれしいですね」と話してくれました。
星が見えやすくなる冬の夜空を、皆さんも見上げてみてはいかがですか。
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