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静岡県富士市

■仕事に誇りを持って
紳士服仕立職 瀧こと代さん

○現代の名工に選出
「現代の名工」に、市内在住の紳士服仕立職、瀧こと代さんが選ばれました。
「現代の名工」は、技能者の地位と技能向上を図るために設けられたもので、厚生労働大臣によって表彰された技能者に贈られます。職業を分類した全20部門の技能者が対象で、瀧さんは、県の職員から声をかけられ、娘の佐智子さんの後押しを受け応募。令和5年度、全国で約150人の名工の1人となりました。

○紳士服の道へ
瀧さんは東京都にある洋裁の専門学校に進み、卒業した後、「周りの人がやっていないことをやりたい」と、紳士服の道へ進むことを決意しました。都内で下積みを重ね、40歳のとき、田子浦地区に「コトヨ洋服店」を構えました。
当時、紳士服を仕立てる人は男性が多くを占め、「女のくせに」とばかにされることも多かったそうです。紳士服を仕立てる上でのこだわりを伺うと、「痩せ型や、丸い体型、なで肩と、体型は様々です。しっかり相手の体を見て、その人に合った紳士服を作り上げることが大切」と話します。
仮縫いから一切手直しを出さない技術で、瀧さんは多くの人から信頼を得てきました。しかし、45歳のときに交通事故にあい、左腕に麻痺が残ることになりました。その影響で、服を押さえられないなど、作業に支障がでるときは、体の別の部分で押さえてみるといった工夫をし、努力を続けました。信頼に応える丁寧な仕上がりで、瀧さんは地元だけではなく、遠方から依頼されることも多いそうです。81歳となった今もなお、仕事を続けている理由は、父親からの「一国一城の主になれ」という言葉だそうです。

○数々の技能を競う大会に出場
瀧さんはこれまでに、全国や世界で開催された技能を競う大会に数多く出場しています。昭和52年に開催された技能士会静岡県大会では、最優秀賞を受賞しました。
事故後は、国際アビリンピック「障害者技能技能大会」に7回出場しました。その中で瀧さんは、洋服・紳士服種目で数々の賞を受賞したそうです。
「一つ一つの仕事が大きな成果になる。何事もできないと決めつけないで、やってみれば何でもできる。それに、完成したときの達成感も大きく、この仕事への向き合い方は自分にとっての強み」と、瀧さんは語ります。
今は娘の佐智子さんと2人で仕事をしています。今後の目標を伺うと、「大きな病気などをせずに、生涯この仕事を続けていきたい」と笑顔で話してくれました。

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