【ダウン症モデル 齊藤菜桜(なお)さん】
○夢の舞台「パリコレ」に出演
日本で初めて、ダウン症のあるモデルとして、今年3月2日にフランスで開催されたパリファッションウィーク(日本での愛称は「パリコレ」)に出演した齊藤菜桜さん。
菜桜さんは、令和4年に特別支援学校を卒業した後、現在は就労継続支援B型事業所に勤務しながら、モデルとして市内を拠点に活動しています。仕事とモデル活動の両立について伺うと「事業所での仕事も、モデル活動も、楽しくて大好き」と笑顔で話してくれました。
モデルとして活動するきっかけとなったのは、9歳のときに(公財)日本ダウン症協会が開いたファッションショーのステージ。その翌年にはダウン症啓発ポスターに起用されたり、東京ガールズコレクションがプロデュースする「TGC teen(ティージーシーティーン)」にも出演したりするなど、多くの場面で活躍しています。
その後、「みんなが笑顔になるモデルになりたい」「障害があっても夢をあきらめない」という思いが強くなり、海外のファッションショーに出演するという目標を持ち、母親の由美さんと二人三脚で支え合いながら夢を追いかけてきました。
○長年のレッスンの成果を披露
ダウン症には、関節や筋力の緊張が弱く、体が柔らかいという症状があります。菜桜さんも姿勢を保つことやウオーキングの習得が難しいというハンデを抱えながら、夢の実現に向けて5年間レッスンを続けてきたそうです。この様子を見守ってきた由美さんは、「ショーでは、長年のレッスンの成果がしっかりと表れていました。背筋を伸ばして堂々とまっすぐ歩き、両手を広げたり、ターンしたりするなど、オリジナルのポージングをいくつも披露していて、とても感動しました」と話します。
夢の舞台「パリコレ」では、デザイナーのサミーナ・ムガールさんのショーにゲスト出演し、福岡県北九州市の貸衣装店「みやび」の池田雅(みやび)さんが制作したカラフルな和装ドレスを身にまとって登場。
菜桜さんにランウェイを歩いた感想を伺うと、「楽しかった!ワクワクした。緊張はしなかった。ママが『うれしい』って泣いてた」と話してくれました。
○今後はアメリカのショーに…
菜桜さんに今後の目標を聞くと、「次はアメリカに行きたい。ファッションショーに出たい。オレンジとか青とかの服を着たい。みんなに笑顔を届けられるように頑張る!」と笑顔で意気込みを話し、由美さんは「夢を叶えることができたのは、菜桜の夢に協力してくれた人たちと、応援してくれた人たちのおかげです。さらにきれいに歩く姿を見たいです」と話してくれました。
さらなる目標を抱え、「みんなが笑顔になれるモデル」として活躍していく菜桜さん。今後の活動に注目です。
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