■けん玉で日本一
内間 珠那(うちま しゅな)さん
○小学生最後の大会で日本一に
内間珠那さん(鷹岡中学校1年)が、今年2月に大阪府で行われた(公社)日本けん玉協会が主催する「第10回日本けん玉協会ジュニア杯争奪戦(JKAジュニア杯)」で優勝し、見事小学生(当時)の日本一に輝きました。
この大会は難易度の高い20種類の技に挑む得点制で、全国から腕自慢の小学生49人が集まりました。
小学生最後の全国大会として臨んだ内間さんは、予選を全体3位で通過。決勝は、4組に分かれて行われました。最終組だった内間さんの前の組で、第2回大会以降出ていなかった満点を出す選手が現れ、勝負は決定的と思われました。しかし、内間さんは集中力を切らさずに50回全ての試技をノーミスで行い、同じく満点を獲得。決勝同点の場合、予選の結果で最終順位が決まるという大会規定により、内間さんが史上初の満点返しで勝利をつかむという劇的展開を繰り広げました。
内間さんは「試技が終わったとき、満点を取ったけれど、まだ優勝か分かっていませんでした。ですが、今までで最高の結果が出せたので、うれしさと安堵感で泣いてしまいました。優勝が分かった瞬間は、満点で勝つことができたので満足感でいっぱいでした」と笑顔で語ります。
しかしこの栄冠の裏側には、挫折を味わう経験がありました。この大会の前に出場した別の全国大会で、ほかの選手を意識し過ぎてしまい、初戦で敗退。優勝を意気込んだ舞台で、まさかの結果となりとても落ち込んだそうですが、この悔しい経験をバネに、JKAジュニア杯に臨みました。「あのときの経験があったおかげで、逆境の中でもほかの人のことを意識せず、自分のことだけを考えることができ、日本一をつかみ取ることができたと思います」と内間さんは話します。
○けん玉の楽しさを多くの人に
内間さんにけん玉を始めたきっかけについて聞くと、「小学校1年生のときに、祖父母が持っていたけん玉をやってみたら意外と楽しく、“もっとうまくなりたい”と思い、母にけん玉クラブに連れて行ってもらったことが始まりです」と話します。「難しい技やできなかった技ができたときの達成感が、けん玉の魅力だと思います。けん玉をやる人は増えてきているけど、大人が多い印象です。同年代でやる子がもっと増えてくれたらうれしいので、みんなにその楽しさを伝えていきたいですね」と笑顔で語ってくれました。
今後の目標について伺うと、「けん玉が好きなので、もっと練習していろいろな技を身につけ、自分が“けん玉をやっていてよかった”と思えるようなラインを越えたいと思っています。けん玉で培った集中力は、ほかのことにも生かせると思うので、いろいろなことにチャレンジしていきたいですね」と話します。内間さんは、7月に広島県で行われる世界大会にも出場予定。ひたむきにけん玉の技を磨くけん玉ガールの今後の活躍に目が離せません。
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