市内には図書館や図書館分室のほかに、各地区を巡回している移動図書館など、本とふれあうことのできる場所がいくつもあります。
今回は、今話題の富士市出身の作家や図書館司書のお気に入りの本、便利なサービスなどを紹介します。
本と出会い、新たな世界をのぞいてみませんか。
●富士市出身。昨年の本屋大賞受賞
宮島未奈
「成瀬は天下を取りにいく」新潮社
滋賀県大津市を舞台に、我が道をいく主人公・成瀬あかりの出来事を描いた物語。
Profile:
小説家。昭和58年生まれ。滋賀県大津市在住。令和5年に刊行された初単行本「成瀬は天下を取りにいく」は、令和6年に第39回坪田譲治文学賞受賞、2024年本屋大賞受賞。
●富士市出身・在住。大ベストセラー作家
大村あつし
「エブリリトルシング夏休みのキセキ」主婦と生活社
多くの学校で道徳の副教材に使用される「カブトムシと少年」から始まる連作短編。
Profile:
小説家、ITライター、AI研究家。昭和41年生まれ。県立富士高等学校卒業。代表作である「エブリリトルシング夏休みのキセキ」は、20万部のベストセラーとなり、後日譚を加えて復刊。
■コレが私のお気に入り!
図書館司書がお勧めするお気に入りの一冊を紹介します。年末年始のお休みや、旅のお供などに、手に取ってみてはいかがですか?
○「QED 六歌仙の暗号」
高田崇史(たかふみ)/著 講談社ノベルス
私が紹介するのは、高田崇史著「QED六歌仙の暗号」という一冊です。歴史分野の学問に興味がなかった私が、大学で歴史学を専攻することになったきっかけの本です。論文ではなく、あくまで小説です。しかし、歴史が苦手、嫌いだという人にも歴史を学ぶ面白さを教えてくれる一冊だと思います。
シャーロックホームズや竹取物語など、様々な題材で「QEDシリーズ」は執筆されています。興味がある題材を、ぜひ手に取ってみてください。
中央図書館 佐野主事補
○「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」
万城目学(まきめまなぶ)/著 筑摩書房
物語の中心は小学1年生になった、かのこちゃん。
ゲリラ豪雨が襲ったある日、かのこちゃんの家の老犬・玄三郎の小屋に、猫のマドレーヌ夫人が逃げ込んできます。かのこちゃんの毎日は全てが新鮮で面白いことだらけ。猫と犬と人との絆、それぞれの出会いと別れ、かのこちゃんの成長…。
中高生でも楽しめると思いますが、大人にも読んでもらいたい一冊です。
中央図書館 山本主事補
○「豊饒の海・第一巻春の雪」
三島由紀夫/著 新潮文庫
三島由紀夫のライフワークとも言える壮大な輪廻転生物語四部作の第一巻。最終章「天人五衰(てんにんごすい)」を書き上げ、三島は自衛隊市ヶ谷駐屯地に向かいました。
各章で若くして死ぬ主人公、全章にわたり生まれ変わりを目撃する長命なキーパーソンが登場します。
第一章の舞台は大正年間、侯爵家の若君と伯爵家令嬢の、禁忌を破りたどり着く甘い陶酔、激しくはかない悲恋の物語です。
富士文庫 水谷統括主幹
○「日本語練習帳」
大野晋(すすむ)/著 岩波新書
著者の大野晋は、「岩波古語辞典」を編さんした日本語学の大家で、私の大学時代の恩師です。日本語を正確に読み、正しく表現するには、「どうすればよりよく読めて書けるようになるのか」、「日本語とはどんな特質を持つ言語なのか」。学生・社会人のために、先生が60年の研究を傾けて語っています。学生時代、助詞の「は」と「が」の違いを先生から教わって、目からウロコだったことを思い出しました。
西図書館 石井統括主幹
○「いそがしいよる」
さとうわきこ/さく・え 福音館書店
「ばばばあちゃんの絵本」シリーズ1作目。
夜空があまりにもきれいなので、外で寝ることを思いついたばばばあちゃんですが…。あれやこれやと寝るときに必要なものが出てきてしまい、大変なことになってしまいます。
「思いついたら即実行!」の行動力のあるばばばあちゃんは、いつも周りのみんなを巻きこんで大騒ぎです。シリーズのほかの絵本も楽しいですよ。
東図書館
<この記事についてアンケートにご協力ください。>