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世界文化遺産登録10周年記念 富士山特集

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静岡県小山町

富士山が世界文化遺産に登録されて今年で10周年です。そこで、記念企画として「小山町にある2つの構成資産」と「7月10日にオープンするインフォメーションセンター」、「富士山関連のイベント情報」をご紹介します。

◆小山町にある2つの構成資産
一.富士山が世界文化遺産へ
静岡県と山梨県にまたがり、山頂までが町域となる富士山は、日本一の高さ(標高3776m)を持つ活火山です。富士山は平成25年(2013)6月、第37回ユネスコ世界遺産委員会において、「富士山│信仰の対象と芸術の源泉(Fujisan,sacred place and source of artistic inspiration)」の名称のもと、文化遺産として世界遺産に登録されました。
その背景には、富士山が「信仰の対象」であるとともに、「芸術の源泉」として、日本人の自然観や日本文化に大きな影響を与えてきた歴史があります。かつては噴火を繰り返す山として畏れられていた富士山は、富士講と呼ばれる信仰集団や浮世絵の登場により、日本人にとって身近な存在になりました。人と自然が信仰と芸術を通して共生する姿は、富士山が持つ大きな特徴です。このような歴史・文化にゆかりのある25か所の構成資産からなる富士山を、ユネスコ世界遺産委員会は未来に受け継ぐべき世界の宝として認めたのです。
小山町には、その構成資産(要素)として、冨士浅間神社(須走浅間神社)と須走口登山道があります。

二.冨士浅間神社
須走口登山道の起点となった神社であり、社伝によると、社殿の造営は9世紀初頭にまで遡るものとされています。
社殿は宝永4年(1707)の宝永噴火で崩壊し、享保3年(1718)に再建されました。それ以降に描かれた絵図によると、御神木を含むスギの巨木等に覆われた境内には、現在と同様の配置・構造の下に、鳥居、参道、楼門が一列に建ち、その奥に拝殿・幣殿・本殿が建ち並んでいたことが分かっています。
平成21年(2009)の本殿の修理にあたっては、享保3年(1718)以降の修築痕跡が随所に認められ、このときの部材の一部が継続的に使用されてきたことが明らかとなりました。
18世紀後半以降には、多くの道者が立ち寄るようになり、現在、登山道へつながる参道の両側には、主として20世紀前半に富士講信者が寄進した登拝回数の達成を記念するものなど、約70基もの石碑等が残されています。
また、冨士浅間神社では毎年7月1日に富士登山の安全を祈願する開山式、9月10日に閉山を奉告する閉山式が執り行われています。

三.須走口登山道
冨士浅間神社を起点とし、吉田口登山道と合流して、山頂の東部へと達する登山道です。その起源は明確ではありませんが、七合目(標高約2925m)の沿道からは、富士山への奉納物として現存最古の事例である至徳元年(1384)の紀年銘を持つ懸仏(かけぼとけ)が出土しているほか、『勝山記』の明応9年(1500)の記事には須走口登山道に道者が集中したとの記述が見られます。
この登山道は、冨士浅間神社及びその所在地である須走村が山頂部まで支配していました。宝永4年(1707)の宝永噴火の際には大きな被害を受けましたが、翌年には復興を完了し、多くの道者・富士講信者による登拝が行われるようになりました。
昭和34年(1959)には、麓から現在の五合目に至るバスの通行が可能な道路(現ふじあざみライン)が完成し、それに伴い、五合目以下の区域における登山道の利用がほとんど見られなくなったため、現在では部分的に登山道の位置を確認することが不可能な区間が存在します。
世界文化遺産「富士山」としての須走口登山道の範囲は、現在も利用されている五合目から山頂にかけての区間です。この区間の沿道には複数の山小屋が建てられており、それらの多くが現在も宿泊所として機能しています。
また、五合目には、五合目以下の登山道沿いに存在した複数の神社を昭和54年(1979)に合祀(ごうし)・移築した古御嶽(こみたけ)神社があります。
本六合目(標高約2700m)付近の沿道には道者・富士講信者の信仰を集めた風穴の「胎内神社」があるほか、九合目(標高約3575m)の沿道には18世紀初頭に存在したと考えられる迎久須志之(むかえくすしの)神社(冨士浅間神社の末社)及び日の出を遥拝(ようはい)する場所のひとつであった「日ノ見御前」(日ノ御子社)と呼ばれる平坦部が存在します。

四.次世代への継承
富士山が世界文化遺産に登録され、10年が経ちました。世界遺産登録がゴールではなく、日本が世界に誇るシンボルである富士山を、より良い状態で後世へ伝えていくことが現代の私たちの責務となっています。
富士山を学び、親しみ、豊かな恵みを認識していくことで、富士山がこれからも世界文化遺産として存在し続けていけるのではないでしょうか。

◆インフォメーションセンター
須走口五合目に、「富士山須走口インフォメーションセンター」が開設します。
7月10日OPEN

▽どんなところ?
登山者に登山前の周知を行う場所です。
天候や落石の情報などを提供します。
・国立公園、世界文化遺産としての富士山を紹介する展示も行っています

▽施設について
・案内所(休憩スペース含む)
・警察の臨時派出所
・バスチケット売場

▽開設期間など
開設期間:4月下旬~10月下旬
開館時間:開山期間 6:00~19:00、閉山期間 8:00~16:00

◆イベント情報
今年行われる富士山関連のイベントをご紹介します。

▽横断幕の設置・ストリートフラッグの設置
世界文化遺産10周年記念の横断幕とストリートフラッグを設置
とき:6月24日(土)~9月23日(土)
ところ:須走宮上歩道橋・須走本通り

問合せ:須走まちづくり推進協議会
【電話】75-2211

▽富士山開通式・五合目インフォメーションセンター開所式
とき:7月10日(月)10:00~
ところ:須走口五合目

問合せ:
・小山町観光協会【電話】76-5000
・観光交流課【電話】76-6114

▽ふるさと発見講座
とき:7月22日(土)
ところ:冨士浅間神社
講師:石橋良弘(冨士浅間神社)

問合せ:生涯学習課
【電話】76-5722

▽町民講座「富士山の火山について」
とき:8月18日(金)10:00~
ところ:須走口五合目
講師:山梨県富士山科学研究所研究員

問合せ:生涯学習課
【電話】76-5722

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問合せ:観光交流課
【電話】76-6114

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