◆富士山火山災害に対する検討状況
令和2年度末、富士山火山防災協議会は、新しい富士山ハザードマップを発表しました。新しいハザードマップでは、溶岩流の流下速度が以前の想定よりも早くなったことが最も大きな特徴です。例えば、想定噴火口から小山町役場まで、以前の想定では、約1か月かかるとされていましたが、新しい想定では、わずか1日程度で到達する可能性があるとされました。同協議会では、この新しいハザードマップに対応した避難について検討を重ね、令和5年3月に「富士山避難基本計画」を公表しました。
また、この基本計画に基づき、県は地域防災計画を修正し、各市町は、各自治体ごとの避難計画を作成しています。
今年8月30日、小山町では、町の避難計画案に基づいて図上訓練を行いましたので紹介します。
◆富士山火山災害図上訓練
図上訓練には、町長以下町職員、警察・消防・自衛隊、避難先自治体職員、町内福祉施設代表者、町自主防災会長等、計約100人が参加しました。富士山の噴火警戒レベルが上がるたびに町職員が警戒レベルに対する対応要領(レベル3発令時に町内全小中高校、こども園が休校・休園になるなど)を会議方式で発表していきます。レベル5の対応を検討中に、富士山が噴火しました!町は、山頂に近い地域から各区ごとに避難指示を発令し、協定バス会社のバス、災害派遣の自衛隊車両などの支援を受けつつ沼津市、三島市、長泉町、伊東市、熱海市などへの避難を開始しました。その後、避難先において町民の方をどのようにサポートしていくのか、噴火終息後の復旧・復興をどのように行うのか、会議の中で検討しました。
◆訓練終了後のアンケート結果
図上訓練終了時には、参加者全員にアンケートを行いました。訓練内容や町が考えている避難の一例について「理解する」「概ね理解する」回答が大半を占めました。自由意見では、神奈川県方向から熱海市方面への避難について心配する意見がありました。県は避難先自治体の検討にあたり、避難が一つの市町に集中し避難先自治体の負担を強いることがないよう、ある程度均等に避難の受け入れを行うとしております。また、沼津市方向へ避難できない場合も想定されることから、神奈川県方向への避難も選択肢の一つとして検討していく必要があると考えます。このほか、今回の訓練は溶岩流の想定でしたが、今後は、大規模降灰時の避難を検討したいと考えています。
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