『巣立ち』
小山町長 込山正秀
わが家の玄関にあるシーサーの置き物に、この春、四十雀が営巣した。奥には、大きな口を開けた雛が5、6羽いた。親鳥が安全な場所だと判断したのだろうか。人の出入りが多く、しかも膝丈ぐらいの高さのところに、巣をつくるとは思いもしなかった。
親鳥がくわえるエサが少し大きくなった頃、出張帰りにシーサーを覗くと、もぬけの殻だった。一抹の寂しさの後に、巣立ちを確信すると、心は前向きになり、自然と頬が緩んだ。
小山町は4月の機構改革で「まちづくり公社準備室」を設けた。地域経済に貢献できる地域商社を育てる。担当職員はさっそく、先駆的な取り組みをしている茨城県境町の株式会社「さかいまちづくり公社」主催の地域ビジネス学院の講座を4〜5月に10回ほど受講した。今後、観光資源、農業資源を活用したふるさと納税返礼品の開発、販路の開拓など、地域の魅力を「外から稼ぐ力」につなげていく。雛が大きく羽ばたく日を目指して。
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