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島田人 Shimadajin File #141

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静岡県島田市

■地域の誇りとして、これからも走り続けたい
大井川鐵道(株)経営企画室(広報担当)
加冷英鵬(かれいひでゆき)さん(金谷東2丁目)

昨年9月の台風15号の影響で甚大な被害を受けた大井川鐵道。今年の10月には、運休区間を活用した「線路ハイキング」を実施するなど、新たな企画で来場者を魅了しています。同社の加冷さんは広報担当の傍ら、新たな乗車体験の企画を担当。持ち前の発想と行動力で、大井川鐵道の魅力を発信します。

▽思いを詰め込んだ客車列車
鉄道好きが高じて大鉄に入社した加冷さん。ファン目線の客車列車企画で、乗る人の心を掴(つか)みます。
「台風被害後から、社内では担当を超えた業務の取り組みが推進されていました。その中で私は、普段SLに連結するレトロな旧型客車を電気機関車で牽引(けんいん)する、客車列車の運行を提案。以前、車両繰りの都合で突発的に同様の運行をしたことがあり、当時のSNSの反応を参考に、一から企画を練りました。私自身も鉄道好きなので『こんな演出があったら面白い』と思うことを盛り込んだ結果、予想以上の大反響。お客さまの笑顔を見て、心からやって良かったと思いました」

▽観光と地域輸送を両立
新たな企画で会社を盛り上げる加冷さん。大井川鐵道に求められることを話します。
「客車列車の運行当初、通学で利用者する学生が、混雑で座れずにデッキに立つことがありました。学生にとって、乗車時間は貴重な学習のひととき。大切な時間を奪った反省から、全てのお客さまが快適に過ごせるよう、定期利用者専用座席や客車の増結などの改善を行いました。乗客の多くが観光利用ですが、当社は住民の足として地域輸送の役割も担います。異なる目的で乗車するお客さま全員に、満足してもらうことは至上命題。昔ながらの客車を楽しむ観光客の横で、学生が参考書を片手に通学する風景は大井川鐵道が守るべきものなのです」

▽今後も地域の誇りとして
「当社最大の売りは、随所で感じる昭和レトロ。それが令和の暮らしに自然と存在することで、この地域ならではの風景を作り出します。いつかSLを各駅停車にして『SLで通学してました!』と、誇らしく話す学生が現れたらと夢を描いています。被災後の当社には、皆さまから数多くの励ましの声が届きました。その一つ一つには、この地域の誇りとして『これからも走り続けてほしい』という期待が込められているのではないかと感じています。その期待に応えるためには、大井川鐵道にしかできないことに磨きをかけ、流域の魅力を発信し、一人でも多くのお客さまに乗車いただくことが必要です。これからも、この地域の誇りとして走り続けます」
未来を見据え、力強く語る加冷さん。溢れんばかりの大鉄愛から生み出されるアイデアによって、これからも沿線に笑顔を運びます。

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