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特集「産む」を巡る「公共」〜不妊症とプレコンセプションケアを考える〜(1)

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静岡県島田市

■憂う(うれう)誰もが想定外の不妊

▽4.4組に1組 不妊治療診察を受けたことがある夫婦
国立社会保障・人口問題研究所「2021年出生動向基本調査」

妻:きっかけゼロで、婦人科に行きづらくない?
夫:不妊の原因が男性にもあるとか、ないとか?
妻:仕事の合間に、検査を受けようと思うけど?
夫:不妊治療のイメージがイマイチ…薬と注射?
妻:不妊治療で、体調とか悪くなったりするの?
夫:検査結果が悪かったら、妻にどう伝えよう?
妻:不妊治療を始めたら、職場に理解はあるかな?
夫:男性不妊の治療も、保険適用になってるの?

▽30.9歳 出生時の平均年齢
厚生労働省「令和4年人口動態統計」

▽不妊・不妊症[funin・funinsho]
生殖年齢の男女が、避妊せずに定期的に性生活を送っているにも関わらず、一定期間(1年が一般的)妊娠しない状態を「不妊」と考える。また、1年という期間を満たしていなくても妊娠できない原因があり、それに対する治療が必要な場合は「不妊症」と診断される。
定義:日本産科婦人科学会

▽日本の子どもを取り巻く環境は、記録を更新し続けている。厚生労働省によれば、2022年に生まれた日本人の子どもの数(出生数)は77万747人。また、1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す合計特殊出生率は1.26。いずれも「7年連続」で、過去最少・過去最低の水準に落ち込んでいる。
夫婦の年齢と出産の関係は、どうだろうか。同年の平均初婚年齢は、夫が31.0歳、妻が29.5歳。1985年と比べると、夫は2.8歳、妻は4.0歳上昇している。また、第1子出生時の母親の平均年齢は30.9歳。こちらは4.2歳の上昇だ。男性も女性も、35歳を過ぎると妊娠率が低下する(35歳の壁)といわれる中で、晩婚化や晩産化は、未婚化などとともに少子化の原因にもなっている。
子どもが生まれない一方で、3組に1組以上の夫婦が不妊を心配したり悩んだりしたことがあるという。そして、4.4組に1組の夫婦が、実際に不妊の検査や治療を受けている。少子だけでなく不妊も、もはや特別なことではなく、ごく身近にある問題なのだ。
もしも夫婦が産む選択をしても、妊娠に壁が立ちはだかれば「不妊治療」の当事者となる。昨年4月、不妊治療は保険適用となった。病気や介護と同様に、国民全体で負担し支える社会課題となったのだ。しかし一方で、当事者以外が不妊の原因や治療について知る機会は、まだまだ少ない。

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