■食生活こそが健康の源
島田市健康づくり食生活推進協議会
中川好子(なかがわよしこ)さん(宮川町)
島田市健康づくり食生活推進協議会(以下「食推協」)に加入して、今年で35年となる中川さん。これまで活動を継続できた秘訣に迫ります。
▽病に学ぶ食へのこだわり
今日まで、病気知らずに過ごしてきた中川さん。長年続けてきた健康的な食生活は、幼い頃の病気がきっかけだと振り返ります。
「6歳の頃、赤痢(せきり)になってしまい、とても苦しい思いをしました。当時は戦時中だったこともあり、食べ物も満足にありませんでした。母親からも『食材の品質には気を付けるように』とよく言われていましたね。そのことは、今でも気にしています。1日30品目を食べることを意識し、既製品を食べることはほとんどありません。基本的に全て自分で調理するようにしています」
▽得意分野で恩返し
市が行っていた健康大学という講座に、近所の人と参加したことがきっかけで、平成元年から食推協に加入した中川さん。自分ができることを意識していると話します。
「89歳まで社会保険労務士として勤めていました。仕事で訪れた会社の女性事務員に、食推協のレシピを渡すと、喜んでくれました。当時は、紙が主流の時代だったため、レシピは貴重でした。そのレシピで実際に料理してくれて『おいしいかったよ』と言ってもらえたのは、良い思い出です。現在は、作った料理を近所の一人暮らしの人に、お裾分けしています。栄養士が考えてくれたレシピだから自信を持って作れるし、渡すこともできます。自分ができることで喜んでもらえると、とてもうれしいですね。
しゃべることは得意ではないので、食推協では何年も会計担当をやっていますよ」
▽健康であることの喜び
「自分でできることは、全て自分でやるようにしています。運転免許証を返納してからは、自転車で移動しています。それでも食推協のメンバーから心配され、『車で送っていくよ』との言葉に甘えることもあります。私からしたら子どもや孫の年代ですから、それが楽しみの一つなのです。40代から60代のメンバーが多く、三世代で活動しているかのよう。仕事も辞めて、何もしていないとダメになってしまう気がするので、元気な限り、この活動は自分のために続けていきたいです。食推協の講座を聞いてもらったり、その参加者が活動に加わったりして、健康への取り組みを始めるきっかけになればうれしいですね」
90歳以上で現役の食推協の会員は、全国に約150人。県内にいる3人の内の一人として、令和3年に表彰を受けた中川さん。
食材にこだわる食生活と、できることは自分で行う行動力こそが、元気でいられる源であることを体現しています。
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