■優しさと強さを兼ね備えたまちの守り人を目指して
島田警察署地域課金谷交番 巡査長
片山果奈(かたやまかな)さん(静岡市駿河区)
金谷交番に勤務する片山さんは、静岡県警の拳銃特別訓練生に選抜されています。昨年11月に都内で開催された関東警察拳銃射撃競技大会の女性制服警察官用拳銃の部で、見事優勝に輝きました。技術のみならず心も鍛錬し、描く理想の警察官像を目指しながら、日夜まちの安全を守っています。
▽激戦区で収めた最高の結果
片山さんは、訓練生になって6年目。本大会への出場三度目にして勝ち取った、優勝の喜びを語ります。
「『今年こそは必ず最高の結果を残す!』という強い気持ちで臨みました。5種類の競技の合計点で競う本大会。警視庁を含む10の県警から選抜された精鋭たちが集う中で優勝できたことは、本当にうれしかったです。また、訓練へ温かく送り出してくれる職場の皆さんにも恩返しできたので、良かったです」
▽訓練で克服した弱点
優勝の裏に存在する、たゆまぬ努力の日々。何事にも動じない強い精神力を培ったトレーニングを振り返ります。
「拳銃を正確に撃つためには、高い集中力が求められるので、平常心で大会に臨む必要があります。訓練生になりたての頃は、メンタルの弱さが課題でした。克服するために、本を読んだり、人の話を聞いたり。日頃の訓練では結果の良し悪しに関わらず、前向きな思考で物事を捉えるよう意識しました。そうした試行錯誤の繰り返しから、自分なりの気持ちのコントロール法を会得できた気がします。本大会でも、一貫して平常心を保てたので、集中して競技に臨むことができました。一つ一つの結果に一喜一憂することのない冷静さは、今後の職務において、きっと生かせるのではないかと思います」
▽優しさと強さで守る安全
「本大会での優勝を機に、多くの人に顔を覚えていただきました。交番で勤務していると、直接、お祝いの声を掛けに来てくれる方もいて。赴任前から島田は人が温かいと聞いていましたが、今まさに実感しています。これまでも、巡回中などに地元の皆さんとお話をする機会はありましたが、さらに距離を縮められたのではないかと思います。
地域の安全を守る立場として、そこに住まう人とのコミュニケーションを欠かすことはできません。特に女性警察官として、女性ならではの困りごとを気軽に話してもらえるようになれたら、うれしいですね。暮らしの身近にいる相談しやすい警察官は、私が理想とする姿です。地域の安全に貢献し、住んでいる人から頼りにされることは、この仕事のやりがいですから」
持ち前の「優しさ」だけでなく、大会を通して鍛えた「強さ」。その両方を兼ね備えた今、片山さんの表情には、地域を見守る優しさと強い決意が一層、表れています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>