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島田人 Shimadajin File #150

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静岡県島田市

■昔ながらの良さを残しつつも、現代に合った安心して楽しめる手持ち花火を
井上玩具煙火(株) 企画開発室長
井上慶彦(いのうえよしひこ)さん(中河町)

県内で唯一、手持ち花火を製造している井上玩具煙火(えんか)株式会社。島田の伝統などをモチーフにした商品開発で、地元を発信しています。

▽業界の現状と自社のこだわり
国内でも数少ない手持ち花火の製造メーカーとなった同社。伝統を残しつつ、時代のニーズに合った花火を開発し、海外へも販路を拡大しています。
「国内に流通する花火の約95%が中国産などの輸入品で、国産花火の工場は日本に数えるほどしかありません。ここ20年から30年ほどはこのような状態が続いており、辞めた花火工場の技術は海外に流出しています。また、量販店やコンビニエンスストアなどでは、外国産の花火セットが中心になっています。こうした中、当社では日本製の良さをウェブなどで発信するとともに、イベントでの直接販売にも力を入れています。駄菓子屋やおもちゃ屋で花火を買っていた頃のように、一つ一つ選んで買う昔ながらの良さを残していきたいです」

▽島田をイメージした商品開発
県外からUターンしてきた時、島田駅で刀剣の「のぼり旗」を目にしたことがきっかけで、新たな取り組みが始まりました。
「私が入社した当時は、地元とのつながりがほとんどありませんでしたが、駅にあったのぼり旗を見て、島田の文化などに関連した商品を創りたいと思い付きました。前回の島田の逸品には、刀をモチーフにした『義助(よしすけ)』を、今回はバラをモチーフにした『結華(ゆっか)』を開発しました。地元に関連した商品開発で島田から日本へ、そして世界へ羽ばたいていきたいと思いを込めて、取り組んでいます。ありがたいことに、これらは贈答用としての需要も増えています」

▽花火の魅力と今後への期待
「国産花火は燃焼時間が長く、煙も少ないことが特徴です。また、全長が長く、持ち手と火の距離が長いため、お子さんでも安心してご利用いただけます。お子さんには、花火を楽しみながら、火に対する知識を学べる場にもなると考えています。そして、色鮮やかな炎色反応からは、化学を学ぶこともできます。子どもたちには、ルールを知った上で、楽しんでほしいです。時代の流れもあり、花火ができる場所は限られていますが、地域と連携して花火を楽しむ機会を創出できれば、うれしいです。そして大人でも楽しめる花火も、アピールしていきたいと思います。
花火単体だけでなく、他の事業者とも協力して、島田を盛り上げたいです。地元を別の角度からアピールできるようにしていきたいと思っています」
伝統を継承し、現代のニーズに適応する井上さん。貴重な国産手持ち花火は、国内外・老若男女の心にこれからも、島田の情景を映し出していきます。

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