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自治体の皆さまへ

市政羅針盤(らしんばん)

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静岡県島田市

染谷絹代(そめやきぬよ)市長が自ら、市政運営の方針を分かりやすくお伝えします。
今月のテーマ:島田市の人口動向と市民が願うまちなかのにぎわい

■県をまたぐ転入出の実態
毎日のように届く市長への手紙の中で「若い世代が魅力的に感じる島田市を創るために、大型商業施設やアミューズメント施設(娯楽施設)を誘致してほしい」「駅前に魅力的な店をつくって」などのご意見を頂戴することがあります。実際、本市の社会動態(住民の転入数と転出数の差)を見ると、進学や就職により18歳~29歳の年代が多く市外へ転出していて、30歳代になると転入超過に転じる特徴があります。今月は、若年層における島田市の人口動向について報告し、併せて、大型商業施設などの誘致がなぜ難しいのかを考えてみたいと思います。
まず、令和元年(2019)以降、本市から県外への転出先として最も多いのは、東京都を中心とする東京圏となっています。一方、県外からの転入も東京圏が最も多くなっていますが、岐阜県・三重県などの中京圏からも20歳代後半~30歳代を中心に増えていて、島田市への転入理由を聞いたアンケートでは「仕事」「結婚」「以前住んでいた」「交通の利便性がよい」などが挙げられました。年代別でみると、20歳代前半は、東京圏や愛知県などへ進学や就職などによる転出が多く、20歳代後半になると、東京都への転出超過は変わらないものの20歳代前半と比較して減少します。そして30歳代になると、他市町から引っ越して来る人、東京圏などから戻る人で、転入超過となっています。

■県内における転入出の分析
次に、県内での人口移動を見てみましょう。令和5年(2023)のデータを見ると、20歳代後半では、藤枝市・牧之原市・菊川市・吉田町・浜松市の順で、本市への転入超過がみられます。意外と思われるかもしれませんが、藤枝市からは、20歳代に続き30歳代も島田市への転入超過となっています。島田市からの転出先は、焼津市・静岡市・富士市・袋井市・湖西市が上位5市を占め、やはり、仕事や結婚による転出が主な理由です。
では、市内での人口動向はどうかといえば、市内全域で自然動態(出生数から死亡数を減じたもの)はマイナスとなり、緩やかに人口減少が進んでいます。社会動態は、六合地区と初倉地区で転入超過となっています。全体的にみて、島田市への転入は近隣市町からが多く、島田市からの転出はより大きな都市へ向かう傾向があります。

■まちのにぎわいを創出するための方法
さて、6~7年前になりますが、本市に「コストコ」を誘致できないかと働きかけたことがあります。しかしながら、日本法人の出店条件が「半径10kmの人口50万人以上」「駐車場収容800台以上」だと聞き、あきらめざるを得ませんでした。本市は新東名や国道1号バイパスなど交通結節点として有利な条件にあり、広域からも集客できるのではと売り込みましたが叶(かな)いませんでした。このように、私たちがあったらいいなと願う商業施設は、商圏の人口規模がなければ出店してきません。
一方で、中心市街地は、郊外へと商業施設の立地が進む中で、さらに、経営者の高齢化による後継問題、商圏人口の減少、大型店との競合、ネット通販の普及、店舗などの老朽化が加わって、相対的に活力を低下させてきました。まちなかのにぎわいは、昔の商店街を取り戻すことではなく、人が集い、交流が生まれる場の創出にあると考えます。歩いて行ける場所に、医療や教育などの公共施設、福祉の拠点もそろう多様な都市機能を集積したコンパクトで持続可能なまちづくり(ウォーカブルシティ)を目指してまいります。
見方を変えれば、10万人弱の都市だからこそ保たれる豊かな自然環境や人の優しさが感じられる、安全で住み心地の良いまち島田が成立するともいえるのです(令和6年度市民意識調査住み心地満足度86.4%)。わがまちの潜在力と可能性に磨きをかけ、居住地・移住地として選ばれる「住んでよし、訪れてよし」の島田市を創ることは、本市の縮充戦略の一つであります。

問合せ:秘書課
【電話】36-7117

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