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自治体の皆さまへ

市政羅針盤(らしんばん)

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静岡県島田市

染谷絹代(そめやきぬよ)市長が自ら、市政運営の方針を分かりやすくお伝えします。
今月のテーマ:島田市における部活動の地域移行とその展望

■部活動の地域移行に伴う全国的な動き
子どもたちが、中学校入学でとても楽しみにしていることの1つが部活動です。その部活動が、保護者世代の頃とは事情が変わってきています。今月は、休日の学校部活動の「地域移行」について、島田市の基本的な方針、目標年次、課題などについてお伝えします。
学校部活動の地域移行とは、これまで中学校の教員が担ってきた部活動の指導を、地域の受け皿(地域のクラブ・団体など)に移行することを指します。地域移行は公立中学校の休日の部活動から段階的に実施される予定で、現在は全国の複数の学校で先行的に実施されています。また、令和4年度に新たに策定された文部科学省のガイドラインでは「令和5年度から令和7年度までの3年間を改革推進期間として地域連携・地域移行に取り組みつつ、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指す」と示されています。公立中学校の休日の部活動の地域移行は、今後、全国的に進められますが、市町によって「受け皿のあるなし」で事情が異なり、国の計画通りには進捗していないのが実情です。

■島田市の現状と地域クラブの新たな形
ここからは、島田市の現状についてお話します。本市における学校部活動の地域移行は、令和9年の夏を目標に、休日の学校部活動を全面的に地域クラブ活動へと移行します。ただし、地域の受け皿となる活動団体・指導者が見つかり、地域移行への準備ができた学校は、令和9年の夏を待たずに新たな地域クラブ活動を設置していく方針です。
例えば、外部指導者がいる金谷中学校弓道部は、早ければ令和7年4月から地域クラブ活動へ移行する予定です。美術などの文化部は、東海道金谷宿大学の一部の講座で中学生を受け入れていただけるようになりました。吹奏楽部の活動についても、市内で活動する文化団体で受け入れの検討を進めていただいています。また、令和9年の夏以降、市内を東西の2つのエリア(【WEST】島一中・金谷中・川根中【EAST】島ニ中・六合中・初倉中)に分ける部活動のエリア制を導入する方針です。これは、原則、全ての部活動で合同部活動を組み、その合同部活動に地域の指導者を取り入れ、学校部活動を地域クラブ活動化していくことを目指したものです。この他にも「島田市新たな地域クラブ活動連絡協議会」の協議の中で、各種団体の実態がさまざまであることが改めて確認されました。島田市としては、一律に地域クラブ活動への移行を進めるトップダウンではなく、学校と各種団体の実態に応じた地域クラブ活動を立ち上げていくといったボトムアップで進めてまいります。

■教員・生徒へのメリットと懸念される課題
振り返れば、これまで学校の部活動は、学校教育の一環として、実質的に学校教員がほぼ無償で担ってきました。しかし、近年は教員の多忙化が大きな社会問題となっています。特に中学校では、本来は休日であるはずの土日に教員が部活動の指導をしていることが、長時間勤務の大きな要因の1つとなっています。「休日の学校部活動の地域移行」を進めるにあたっては、生徒と学校・教員の双方にメリットが期待されています。生徒にとっては、自分が通う学校だけでは人数が足りずにできなかった活動種目も、地域で複数校の生徒が集まれば可能になる場合があります。また、専門的な指導が入ることによる技術向上も期待できます。
一方、学校部活動の地域移行には懸念の声もあります。(1)活動場所が通学する学校以外の場所になる可能性がある(2)活動に対応した指導者・活動場所などの確保が難しいケースもある(3)指導者には、技術的な指導だけではなく、生徒や保護者との接し方などの配慮も必要等々。これまで学校内で完結していた部活動を地域施設で行うとなれば、施設の使用料や送迎費用が発生してきますし、外部の指導者に委託するなら指導料も発生します。島田市としては、こうした経費負担についてもそれぞれの地域クラブ活動の実態や設置方法、運営方法などを総合的に勘案した上で、具体的な支援の在り方について検討してまいります。

問合せ:秘書課
【電話】36-7117

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