◆椎茸とオンラインゲームを組み合わせてヒットにつなげた
植田 有裕(うえた なおひろ)さん
▽純国産にこだわる椎茸栽培
市内で生産されている椎茸が、思いもよらないものとの組み合わせで巷をにぎわせている。この話題の椎茸を栽培・販売しているのは、植田有裕さん(上比木)。有裕さんは県外の大学を卒業。日用雑貨を取り扱う大手販売店に勤務したのち、約10年前に家業である椎茸農家を継いだ。祖父から3代続く椎茸栽培を受け継ぎ、菌床の原料から生産に至るまでの全てで「純国産」にこだわっているという有裕さんは、「味には絶対の自信があります」と胸を張る。
▽意外な組み合わせがヒット
たくさんの人に自慢の椎茸を味わってもらいたいと思っていたものの、小規模生産であることや市の特産品としての知名度が低いために、販路拡大に苦慮していた。
そんなある日、ゲーム好きが講じてオンライン大会を企画することもある有裕さんは、「椎茸を大会の景品にしてみたら面白いかもしれない」とひらめいた。こうして誕生したのが、ユニークな名前とアイデアで注目を集める「ゲーミング椎茸」だ。
ゲーム大会の景品と言えば、それに関連したグッズが一般的。椎茸が景品という一見冗談のような試みが、ゲームファンの心をつかみ、ヒットした。ゲーム業界に浸透していくにつれ、いつしか「ゲーミング椎茸」と呼ばれるようになり、大手ゲーム会社やゲーム好きの漫画家らの目にとまったことで、その知名度はさらに上昇した。
有裕さんは、この波に乗ろうとブランド化の確立に注力。パッケージには、ゲームらしさを演出するためにアニメ風イラストを採用し、さらなる販路拡大を目指した。県外の飲食店で原材料として使用されるなど徐々に販路が広がりつつあるという。
現在、ゲーミング椎茸は通信販売のほか、市内スーパーでも購入ができる。ゲームと椎茸という一見アンマッチな組み合わせも見せ方ひとつで魅力的な個性を生み出す。有裕さんのようなひらめきが、まちを明るく輝かせるだろう。
・ゲーミング椎茸パッケージ(右)と通常パッケージ(左)。有裕さんが生産する「御前崎産肉厚椎茸」は本年度、御前崎ブランドに認定された。
※詳しくは広報紙をご覧ください。
▽PROFILE
うえた なおひろ(上比木・37歳)
日々子育てに奮闘する一男の父。得意なゲームのジャンルは格闘ゲーム。
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