名称:東山の湯立(ゆだて)神楽
所在地:東山
東山の厳島神社では、東山神楽保存会によって正月の法神楽、7月の七夕神楽、10月の湯立神楽が行われます。
江戸時代の文久2(1862)年に御殿場村の漢方医で寺子屋の師匠、渡辺宗俊(そうしゅん)が、東山の井上仁に三さぶ郎ろうに伝えたといわれています。神楽保存会が伝える「御法書(ごほうしょ)」の祈願文に「流行病気(りゅうこうびょうき)、村内不入(そんないふにゅう)、悪魔退散、内外安静ならんと祈るのみ」とあることから、当時この地方に流行したコレラを払うために始められたと考えられています。
湯立神楽は、神社の例祭の前日の晩10月14日に行われます。準備は1週間ほど前から行われ、祭壇の前に敷くコモを編んだり馬のわらじ、御幣(ごへい)を作ります。わらじは、釜の足につけます。
湯立神楽は、「御法書」の中の「湯立行事神楽式法」によって忠実に進められます。
当日は社殿正面の四方に忌竹(いみだけ)を立て御幣を下げたしめ縄を三辺に張り巡らし、中央に湯釜を置きます。獅子がこの湯釜に火をいれるのですが、市内の湯立神楽でも東山でしか行われていません。
東山の湯立神楽は、沼田・大坂の湯立神楽とは由来の異なる神楽であり、東山から伝えられた北久原の湯立神楽と共に別系統の湯立神楽として次世代への継承と更なる調査研究が望まれています。
【御殿場資料】
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※広報紙P.19に二次元コードを掲載しています。
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