小笠掛川歯科医師会 その57
■どうしてむし歯になるの?〜むし歯のメカニズムを知ろう〜
むし歯は、歯の表面にあるエナメル質や、その中にある象牙質(ぞうげしつ)が細菌の作用によって侵されることにより起こる歯の病気です。今回はそのメカニズムを勉強していきます。
◇口腔(こうくう)内の細菌
口腔内にはさまざまな細菌が生息しており、その種類は数百種、数量としては歯垢1グラム中に数億個もの細菌がいるとされています。その中でむし歯に関係する細菌は、砂糖やでんぷんなどの炭水化物を分解して酸を産生するミュータンス菌、ラクトバチルス菌で、酸産生細菌と呼ばれます。
◇歯の表面が溶ける
食事をとると、歯の表面に食べかすや糖分が付着します。酸産生細菌はこれらをエネルギー源として利用し、増殖し、酸を産生します。この酸は、歯の表面にあるエナメル質を溶かす強力な作用があります。
通常、唾液には中性化する性質があるため、食後から口腔内、歯垢内の酸性が中和されていきます。しかし、蓄積された歯垢の量、個人個人の唾液の性質などの影響で中和が追いつかないと、口腔内、歯垢内が酸性に偏っている状態が続くことになります。
◇歯への影響
エナメル質が酸にさらされ続けることにより、最終的にはエナメル質や象牙質が侵され、むし歯が形成されます。むし歯が進行すると、歯の内部にある神経組織にまで達することがあり、歯の痛みや感染を引き起こす恐れがあります。
◇歯科検診と歯磨きで健康な歯に
むし歯の予防には、定期的な歯科検診と適切な歯磨きが重要です。また、糖分の多い飲食物やお菓子を過度に摂取せず、口腔内の酸性を抑えることも大切です。健康な歯を保つために、口腔ケアとバランスの取れた食生活に心掛けましょう。
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