掛川市環境保全型農業生産推進会では、掛川の有機農産物を神嘗祭(かんなめさい)の日に伊勢神宮に奉納しています。
神嘗祭は伊勢神宮で一番大切なお祀りで、日本各地の農家と天皇陛下が刈り取った稲穂が納められます。現在はコンバインで刈った後に乾燥機にかけると新米としてすぐに食べられますが、本来は、神嘗祭で天照大御神(伊勢神宮)に稲穂を奉納した後に、1か月間をかけて太陽(天照大御神)によって天日乾燥され、脱穀と籾摺(もみす)りをして新米となります。ですから、神嘗祭は食することではなく収穫できたことに感謝をするお祀りです。
そして、太陽によって乾燥され食せるようになった新米を、鎮守の神様(氏神様)に奉納するのが新嘗祭(にいなめさい)です。神嘗祭は10月16日前後、新嘗祭は11月23日です。現在は新嘗祭だけが勤労感謝の日となり祝日ですが、以前は両日とも祝日でした。
神嘗祭で収穫できたことに感謝し、新嘗祭で食べられることに感謝し、それからいただく。1年はその繰り返しです。暑かったり寒かったり、雨が多かったり少なかったりしますが、それらも全て天の恵みです。神様に捧げれば、まわりまわって神様が自分たちに届けてくれる。食事の前の「いただきます」は、神様に対しての感謝の言葉、神嘗祭と新嘗祭で伝えているのはそのようなことだと思います。
伊勢神宮は日本人の心のふるさとです。来年も掛川産の有機農産物を奉納できるように頑張ろうと思います。(大角 昌巳)
問合せ:オーガニックビレッジ推進協議会事務局
【電話】21-1216
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