小笠医師会 その60
■災害時の健康
災害大国で暮らす私たちは、エネルギーや情報手段も含めさまざまな災害の備えが必要といわれています。「災害には備えているから大丈夫」でしょうか?災害時は「想定外」が起こります。今回は中でも災害時の健康について考えてみましょう。
◇日頃から備えを
まず持病のある方は、自分の健康状態を把握しておきましょう。お薬手帳に疾患名や手術歴・アレルギー歴を記載したり、普段から病状を安定させておきましょう。年1回くらいかかりつけ医の先生とお薬手帳を見返すのもいいですね。残薬は作らないのが原則ですが、もし余ってしまったら1、2週分くらいのローリングストックを作るのもひとつです。持病のない方でも、健康診断結果の把握や風邪薬などの常備薬を持つのもよいでしょう。
次に避難所生活です。感染症予防については新型コロナの流行を経験して培ったマスクや消毒、動線確保などの手段が役に立ちます。車中泊や狭い空間での暮らしはエコノミークラス症候群や、災害前よりも心身ともに活動性が落ちてしまう生活不活発病を引き起こします。体を動かしたり、周りと話したり、SNSで家族とやり取りしたりすることが予防に繋がります。また歯周病は万病のもと。お口を清潔に保つことも忘れないようにしましょう。
浸水したり倒壊したり家屋の清掃の際にも、感染対策を取りましょう。カビや破傷風にも十分注意が必要です。また季節によっては熱中症対策もしましょう。
◇想定外を受け容れる
冒頭にも書きましたが、備え十分でも、想定外を経験するのが災害です。想定外を悲観せずにいられる私なりの訓練を二つ紹介したいと思います。
一つ目は受け容れること。日常の中で予想の「斜め上」をきた出来事にも驚きながらも受け容れる姿勢。立ち止まらずに矛盾を抱えながらも歩き続ける姿勢が、想定外を乗り越える小さな助けになるかもしれません。
二つ目はないものねだりをしないこと、工夫して無から代用品を作り出すこと。物品がないから、消費期限が過ぎているから、などナイナイだらけの被災直後。極限状態に生きることだけを考えたとき、本当に必要なものだけを無理やり生み出そうとしているうちに、極限状態は過ぎて周りからの助けも届くかもしれません。
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