■藤井聡太王将を掛川城にご案内しました
3月8日に藤井聡太王将が掛川を訪問されました。第4局で王将防衛が決定し、掛川城二の丸茶室で予定されていた王将戦第6局が実施されず、代わるイベントとして指導対局や大盤解説などに参加していただきました。
◇開門30周年と藤井王将が選んだ字
掛川城天守閣から市の街並みをご覧になった藤井王将は「城主になった気分」と話されました。そして、掛川城天守閣開門30周年という節目の年である今年、記念となる揮毫(きごう)をいただきました。藤井王将が選んだ文字は「雲外蒼天(うんがいそうてん)」。雲を突き抜けたその先には青空が広がっているということを表し、転じて、努力して苦しみを乗り越えればすばらしい未来が待っているという意味です。
掛川城の「霧吹井戸の伝説」はご存知でしょうか。戦国時代、西から徳川家康、東から武田信玄に攻められた駿河の今川氏真は、重臣朝比奈泰朝の掛川城へ逃げ込みます。この城を落とそうと家康が攻撃を仕掛けた際、井戸から立ちこめた霧が城をすっぽりと覆い隠し、徳川軍は攻撃できなくなったという伝説から掛川城は「雲霧城」とも呼ばれるようになりました。
読みの深い藤井王将のことなので「この伝説をもとに『雲』を含む熟語を選ばれたのでは」と思いを巡らせました。
◇幻の勝負めし・おやつも
今回、藤井王将は対局がないためか、終始リラックスした雰囲気で笑顔もたくさん見せてくれました。昨年は、羽生善治九段との対局前でピリピリした雰囲気でしたので、掛川のことをゆっくり味わう時間もなかったのではと思います。今回、幻となった「勝負めし・おやつ」も、祝賀会でたくさん召し上がっていただきました。
全国的に開催地争いが激化していますが、引き続き王将戦を開催できるよう関係者とともに力を入れていきます。
藤井王将、来年もまた将棋のまち掛川でお待ちしております。
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