■お届けするのは〝生きる力〞
「農薬を使わないでどうやって野菜を育てているのですか」とよく聞かれますが、実は自分は農薬を否定しているわけではありません。農薬は人が使う薬と同じです。農薬によって食糧が確保できており、大切なのは正しく使うことです。
当園が農薬を使わないのは目的ではなく手段です。インフルエンザで学級閉鎖になるときでも、半ズボンで遊んでいる元気な子どもたちがいます。たぶん、あの子たちは薬を飲んだりしていません。自分が育てたいのはそんな野菜です。
お客様から「病気が治りました」とか「アトピーがなくなりました」とか「子どもが野菜好きになりました」という手紙をいただきますが、それは有機野菜だからではなく、オーガニックというフィルターをとおして、生命力のある元気な野菜に育ってくれて、〝生きる力〞を食したからだと思います。
子どもを元気に育てるのに、正しい方法があるわけではありませんが、食事を大切にする、化学調味料は使わない、薬はなるべく飲ませない、土の上で遊ばせる、太陽をたくさん浴びる、風にも当てる、いろんな人と交わらせる、怪我をしても動じない、そんなことが大切だと思います。そして、これを野菜に当てはめ、化学肥料は使わない、露地栽培で育てる、農薬は使わない、風とおしと日当たりを良くする、いろいろな野菜と一緒に育てる、虫がいても動じない、そんな育て方をしています。
子どもにはいろいろ期待をしてしまいますが、元気で育ってくれることが一番の願いです。野菜も見た目がきれいに、他と同じように育ってほしいと期待され、そうでないと、規格外とか、訳あり品とか、ときにはクズモノとさえ言われることもありますが、食べ物として一番大切なのは〝生きる力〞がある元気な野菜であることです。
元気な子どもたちに擦り傷があるように、有機野菜には傷がついていたりすることがありますが、それは勲章です。
しあわせ野菜畑代表 大角昌巳
問合せ:オーガニックビレッジ推進協議会事務局
【電話】21-1216
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