■手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)―最も頻度の高い末梢神経障害―
手のしびれ感は脳血管障害、脊椎での障害、血管の問題など様々な理由で生じます。その中でも100人当たり3~4人、有病率3.8%とかなり高い疾患が末梢神経障害である手根管症候群です。
症状は親指から薬指(半分)のしびれ感、痛みで、進行すれば細かいものがつまみにくくなります。痛みやしびれ感で夜間目覚めることがあり、睡眠障害の原因にもなります。
原因は掌(てのひら)に存在する横手根靱帯(おうしゅこんじんたい)の肥厚が生じ直下にある正中神経が圧迫されることです。
横手根靱帯の肥厚は加齢、手の酷使、および女性においてホルモンバランスの異常により生じます。したがって発症の好発は50歳代女性です。しかし、近年アミロイドというタンパクが横手根靱帯に沈着することにより手根管症候群が発症することが報告されています。
最近、細かいものがつまみにくくなった、親指から薬指のしびれ感で夜間目覚める、などの症状がありましたら治療できますので是非一度、整形外科にご相談ください。
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