■脂肪肝について
脂肪肝は医師が日常に診療することの多い慢性肝疾患です。健康診断や人間ドックでは約30%の割合で認められると言われています。
世界で見ると南米や中東では非常に多い疾患ですが、アジアでは肥満体型でなくても脂肪肝を認める頻度が高く、食事内容や遺伝子の影響と考えられています。
近年注目されているのは、ウイルス性肝炎や飲酒習慣のない人に発症する、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD(ナッフルディー))です。NAFLD患者さんは肝臓に脂肪が沈着しているだけで、肝機能に影響がないことも多いですが、一部の患者さんでは肝機能障害を認め、更に進行すると肝硬変の状態になってしまうこともあります。また、肝機能障害は軽度でも肝臓がん(肝細胞がん)のリスクは高くなります。
脂肪肝は食事制限や運動を行うことで、正常な肝臓の状態を取り戻すことも可能ですので、健康診断などで指摘された方は積極的に生活習慣を見直しましょう。
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