■腰椎椎間板ヘルニアについて(その3)~椎間板内酵素注入療法~
今回は腰椎椎間板ヘルニアに対する新しい治療法について解説します。
椎間板内注射療法は、平成30年から保険適応となり、患者さんに対して投与できるようになった新しい治療法です。コンドリアーゼという酵素を椎間板内に投与することでヘルニアを小さくして神経の圧迫を軽減するというものです。注射による治療なので外来での日帰り治療も可能で、手術に比べて体への負担が少ないのが利点です。鎮痛剤やブロック注射などの治療で痛みが改善しないような場合にこの治療を行っています。ただ現時点では、アレルギーの観点から一生に一回のみと使用は制限されています。
今までの報告によると、この治療法の有効性は70~80%といわれています。手術に比べて即効性と確実性には劣るものの、体への負担が少なく経済的なこの治療を希望する患者さんは多くいらっしゃいます。手術をせずに椎間板ヘルニアを治したいという患者さんのニーズに応えるこの新しい治療法によって、多くの患者さんが救われることを願っています。
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