■腰椎椎間板ヘルニアについて~腰椎椎間板ヘルニアの病態~
椎間板ヘルニアという病名は誰しもが一度は聞いたことがあると思います。それほどありふれた疾患で、これを読んでいる方の中にも経験された方がいるかもしれません。
椎間板は背骨のクッションのような役割を果たしている軟骨組織です。立ち座りや前かがみの動作、重いものを持ったりすることで椎間板には体重の何倍もの負荷がかかります。こうした動作の繰り返しや加齢により、椎間板組織が脱出して、神経を圧迫することで、腰から足にかけての痛み、動かしにくさ、しびれなどを生じます。
腰椎椎間板ヘルニアの有病率はおおむね1%前後であり、20歳から40歳台に多く、やや男性に多いといわれていますが、10歳台の若年者や50歳以上の方の発症もまれではありません。下肢伸展挙上試験(膝を伸ばしたまま、片足を挙げて足に痛みが生じるかどうか)が診断に有用です。画像診断においてはMRIが重要で、椎間板ヘルニアの有無と神経の圧迫の程度を評価することができます。次の機会には、その治療について解説します。
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