◆へバーデン結節 最も多い変形性関節症
関節には関節軟骨が存在しますが、加齢とともに関節軟骨はすり減ってしまいます。その結果骨への負担が増し、慢性的な関節の腫れ、痛みが生じ、やがて変形します。へバーデン結節とは手指の第一関節に生じた変形性関節症であり、全関節中、最も頻度の高い変形性関節症で、60歳以上の方での有病率は50%以上と高率に見られます。症状は第一関節の腫れ、痛み、そして変形です。
発症には仕事での酷使、女性ホルモン、そして遺伝が関与しているとされていて、家系に手指での変形性関節症患者さんがいる方では、家系にいない方と比較して、へバーデン結節の発症率は40倍になると報告されています。
発症初期では変形は生じませんが、痛みを生じるため、消炎鎮痛剤による炎症の抑制および装具を用いた関節の安静を行います。進行を予防することは困難で、最終的には関節が曲がった状態で変形しますが、痛みはいずれ無くなります。外見的に気になる場合は変形を直した状態で固定したり、最近では人工関節に置き換える手術が欧米を中心に少しずつ広まっています。第一関節の痛み、変形でお困りの際は、ぜひご相談ください。
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