■ドケルバン病~スマホの使い過ぎは要注意!~
手指が動くのは、筋肉と連続する腱(けん)が骨に付き、筋肉が腱(けん)を通じて骨を引っ張り、動かすからです。効率よく指を動かし、腱(けん)の浮き上がりを抑えるため、腱(けん)は腱鞘(けんしょう)というトンネルを通ります。女性ホルモンの変化や、手指の使い過ぎによる機械的刺激により、腱(けん)や腱鞘(けんしょう)は腫れを起こしたり、擦れて炎症を生じさせたりします。これが腱鞘炎(けんしょうえん)です。ドケルバン病は親指の付け根で、親指を伸ばす腱(けん)と親指を広げる腱(けん)が擦れ、炎症を起こす病気です。頻度は男性で0.5%、女性で1.3%と、女性に多く見られます。患者さんの多くは女性ホルモンの影響を受ける更年期女性、および妊娠出産後の女性ですが、最近は長時間ビデオゲームをする若者や、スマホを1日8時間以上使用する若者に増えています。使い過ぎが原因ですので、親指の使用を控えれば症状は良くなります。
ただし仕事や家事などで、親指を休めることができないときは、腱鞘(けんしょう)に炎症を抑えるステロイドの注射を行います。約7割の方がこれで良くなります。それでも症状が良くならない際には、局所麻酔を使い、日帰りで手術をします。スマホの使い過ぎにはご注意ください!
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