昭和3年に設立し、昭和63年に東椎路に移転した沼津市立病院。
現在、24の診療科・387病床で、年間延べ約25万人の診療を行っています。
市外からの患者も約4割を占め、県東部における総合的な基幹病院として多くの生命と健康を守っています。
特に重要な役割として、この地域の行政的医療を担っており、第三次救命救急センター・地域周産期母子医療センター・新型コロナウイルス感染症重点医療機関・災害拠点病院等の指定を受け、運営しています。
■新型コロナウイルス感染症重点医療機関
令和4年度は、様々な地域から多くの感染症患者が救急搬送されました。特に感染拡大期には、中等症や重症患者を始め、入院施設が限られる小児、周産期患者を受け入れ、また、併発した様々な疾患の緊急手術にも対応しました。
■地域周産期母子医療センター
周産期医療とは、妊娠22週から出生後7日未満の妊娠分娩に関わる母体・胎児管理と出生後の新生児管理を行う医療です。24時間365日体制で妊産婦の救急に対応しています。
■第三次救命救急センター
県東部2カ所のうちの1つである第三次救命救急センター。令和4年度は、3,000人以上の救急搬送患者(救急車・ドクターヘリ)を受け入れ、総受診者数は4,600人を超えました。
■伊藤浩嗣病院長に聞きました!
[Q]行政的医療って何ですか?
[A]採算確保が難しく、民間での取組が困難なため、行政的に運営する医療(救急・小児・周産期・感染症・災害医療など)のことです。診療報酬だけでは運営できませんので、自治体からの繰入金などで賄われています。
[Q]私たちの地域の救急医療の体制は?
[A]症状や緊急性に応じて、3段階で体制を組んでいます。
軽症患者は一次救急医療として診療所や夜間救急医療センターで、手術や入院が必要な重症患者は二次救急医療として近隣市町を含めた複数の医療機関が輪番制で対応します。さらに生命の危機にある重篤患者の場合は、24時間365日体制で高度な救急医療を行う第三次救命救急センターが対応します。
[Q]これからの行政的医療は?
[A]全国でも全病院数の1割に過ぎない公立病院が行政的医療を担っています。沼津市立病院も、県東部広域でその役割を果たしていますが、慢性的な医師不足や令和6年度に始まる「医師の働き方改革」の影響から、全国的に地域医療が縮小していく可能性が懸念されています。この地域では近年、特に救急・小児・周産期患者を受け入れる医療機関が減少しています。
沼津市立病院では、今後も運営母体の沼津市だけでなく、周辺自治体と連携し、市民の皆さんのご理解、ご協力を得ながら、地域医療を支えていきます。
沼津市立病院では、ホームページ(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)のほか広報誌「ぬまピタル」やYouTubeチャンネル(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)で、診療の方法や病院の状況などをご案内しています。ぜひご覧ください。
問合せ:沼津市立病院 病院管理課
【電話】055-924-5100
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