沼津市長 賴重秀一 × お笑いタレント 間 寛平
■若い世代の「ちから」
[市長]市民の皆さんに、沼津の魅力をさらに知っていただければ、自分の住むまちに誇りを持ってもらえると思い、広報力の強化にも取り組んでいます。皆さんに、広報ぬまづを楽しく読んでもらえるよう、若手職員と意見を交わし改革を続けています。おかげで「沼津ってこんなに良いところがあったんだ」という声もいただけるようになってきました。また、まちづくりに欠かせない技術系職員の確保が課題となっているので、若手職員が企画し、自らの母校にリクルートに出かけるなど積極的な活動をしたんです。その甲斐があって、課題解決の道筋が見えてきました。
[寛平]そうですよ!やっぱり若い人の意見って大事ですよね。
[市長]さらに、沼津の未来を創造するさまざま事業にスピード感を持って挑戦するため、若手職員を中心とした「沼津市役所新時代創造プロジェクト」を立ち上げ、広報やICT環境などの改革に取り組み始めました。最近は、仕事でも暮らしのなかでもDXやAIなどが必要不可欠となっていますが、時代の流れに柔軟に対応できる職員は貴重です。しかも、彼らは現場で市民の皆さんのリアルな声を聞いているんです。だからこそ、若手職員の意見を大切にしたいんです。
[寛平]良いことやと思います。吉本も規模が大きくなって、入ってくる子も頭のいい子がほんまに多いんです。僕らの若い頃とはつくるネタが違うんです。
[市長]師匠は、吉本新喜劇でゼネラルマネジャーを務めていらっしゃいますが、若い世代の可能性をどう感じていますか。
[寛平]僕は人に教えたり、注意とかアドバイスは苦手なんです。若い座員たちには「会社に怒られても俺が全部オッケーしたことだからなんとかする」と伝えて、いろんなことに挑戦してもらうようにしています。
[市長]お話を聞いて、師匠も同じような想いで取り組んでおられるんだなと嬉しくなりました。若い人たちは自分たちの想いを伝えたり、実力を発揮したりするという環境があまりないんですよね。職員にも「市長だからと臆することなくアイデアをぶつけてほしい」と話しています。そして「ここは市長に動いてほしい」となったら私自身が行動を起こす。トップが一番働く組織が私の理想なんです。
■あきらめずにプラス思考で
[市長]師匠は、全国各地でまちを元気にする多彩なイベントを開催していますよね。そのアイデアはどこからくるんですか?
[寛平]僕自身は思いついたことが面白ければ、すぐにやってみるんです。
[市長]それもまた挑戦ですよね。挑戦し続ける人ってどんな人でしょうか。
[寛平]どうやろ。やっぱり「まずはやってみる人」かな。アースマラソンの時は、ぱっと思いついて「俺、地球一周したいねんけど」ってスタッフに振ったら、一生懸命プランを考えてくれるんですよ。だからこそ、そのアイデアを尊重して絶対に実行する。実際に挑戦するときには多くの人がサポートしてくれるんです。そんな経験からみんなにも、「まずはやってみろ、誰かが応援してくれるから」って言うんですよ。
[市長]日本フェンシング協会と包括連携協定を結んだのは、全国初の取組です。当時会長であった太田雄貴さん(北京・ロンドン五輪メダリスト)のもとを訪ねてスポーツを通じたまちづくりの熱い想いをぶつけてみたんです。そしたらとんとん拍子で話が進み、今では「フェンシングのまち沼津」が定着して、つい先日は全日本フェンシング選手権大会が開催されるまでに至りました。
[寛平]動いてみればうまいこといくでしょ?僕、おもろいのに埋もれてる若手芸人を集めて「劇団間座(はざまざ)」を立ち上げたんです。芝居を始める時に「脚本は宮藤官九郎さんに書いてもらうわ」とひらめいて、初対面でいきなりお願いしてみたんです。そしたら「歌でよければ」と作ってくれて、舞台も見に来てくれた。最初は、みんなが「無理や」って言ってたんですけど、やってみれば良いことありますよ。
[市長]寛平師匠らしいですね。
[寛平]あと、甲本ヒロトの歌が気に入ったから「フジロックで歌う曲を頼んでくるわ」って彼の事務所に行ってみたの。もちろん面識ない。吉本にも止められたけど「大丈夫、大丈夫」って行ってみたらほんまに書いてくれた。僕もびっくりしたけどね(笑)。
[市長]果敢にチャレンジすることは大事ですね。沼津で挑戦し続けているのがまちづくりの核、沼津駅周辺総合整備事業です。その中でも重要な鉄道高架事業において新貨物ターミナルの工事着工式を、令和4年1月にようやく迎えることができました。沼津だけでなく、静岡県東部地域の発展のために必要な事業だと、目標を明確にし、挑戦し続ける大切さを学びました。
[寛平]もうあかんと思ったらだめなんですわ。やっぱりチャレンジすることですわ。
[市長]加えて成功するためにはプラス思考が大事ですね。ポジティブに物事を考えるから良いアイデアも出てくるんですよね。
[寛平]僕はマイナスの思考が全くない。だから引き算はできへん、割り算も。足し算と掛け算しかできません。
[市長]なるほど!そのフレーズ、今度どこかで使わせていただきます!
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