■祝 藤井聡太棋聖 棋聖位防衛 永世称号獲得
○祝!藤井聡太棋聖
第77回沼津夏まつり・狩野川花火大会が開催される少し前、7月23日(火)に、上土町にある沼津リバーサイドホテルでヒューリック杯第95期棋聖戦の祝勝会が開催されました。沼津での対局が予定されていたこの日、金屏風の前で花束を受け取り、ファンや関係者からの祝福を受けたのは、もちろん藤井聡太棋聖です。
もともとは沼津御用邸記念公園東附属邸第一学問所で第95期棋聖戦第五局が開催される予定でしたが、藤井棋聖が3連勝で山崎八段を破り対局は第三局で終了しました。
藤井棋聖は2020年に棋聖戦で初タイトルを獲得し、翌年に沼津での対局で初防衛を決め、以後連続で棋聖位を守り続け、史上最年少で自身初の永世称号を獲得しました(※)。
将棋の8大タイトルのなかでも棋聖位は藤井聡太棋聖の快進撃を語る上で欠かせないものといえるでしょう。
○棋聖戦と沼津
棋聖戦と沼津は縁が深く、沼津で開催されるようになったのは2013年の第84期から。これまで10回以上対局が開催、予定され、羽生善治九段、渡辺明九段、豊島将之九段など現在も第一線で活躍する棋士が沼津を訪れ、熱戦を繰り広げてきました。
第84期から第90期までは千本郷林にある沼津倶楽部で行われ、コロナ禍で東京・大阪開催となった第91期を挟んで第92期からは沼津御用邸記念公園東附属邸第一学問所に会場を移します。藤井聡太棋聖が初めて沼津で対局をしたのも第92期。藤井聡太棋聖は当時、対戦前に「非常に静寂(せいじゃく)な雰囲気で、素晴らしいところだと感じました。それにふさわしい熱戦を展開できるように頑張りたいと思います」と意気込みました。藤井聡太棋聖の活躍による将棋ブームにのって、対局会場である沼津市も将棋ファンから大きな注目を集めています。
※棋聖のタイトルを通算5期獲得することで「永世棋聖」の称号を獲得。主に引退後に名乗ることができる。
■藤井聡太棋聖 スペシャルインタビュー in沼津
聞き手 賴重秀一市長
藤井棋聖が多くのファンや関係者から祝福を受けた祝勝会・報告会の合間をぬって、賴重市長が藤井棋聖にインタビューしました。
[市長]改めて棋聖位防衛と永世称号の獲得おめでとうございます。棋聖が初めて防衛されたのが、渡辺明名人を3連勝で退けた棋聖のタイトル。その記念すべき会場が沼津だったんですよね。私たち沼津市民はとても誇りに思っています。この勝利によって、最年少タイトル防衛記録及び最年少九段昇段記録を更新されました。初防衛のときの心境は覚えていらっしゃいますか?
[棋聖]対局会場となった沼津御用邸記念公園の東附属邸は趣(おもむき)があって対局に集中できました。中盤の激しい展開や終盤の際どい局面のなか、なんとか勝ち筋を掴つかむことができました。対局中は夢中でしたので、すぐに実感が湧いてくるという感じではなかったのですが、じわじわと嬉しさがこみ上げてきたのを覚えています。
[市長]昨年、第94期にも沼津御用邸記念公園東附属邸第一学問所で佐々木大地七段を迎え撃ち、防衛に成功されました。私も臨席させていただきましたが手に汗握る熱戦でした。沼津市民の皆さんもパブリックビューイングに足を運んだり、棋聖と佐々木七段にご提案した勝負メシに多くの投票をいただくなど、お二人の対局を楽しんでくれたようです。また、これまで沼津での対局は2戦2勝となっています。相性のよさなどを感じることはありますか?
[棋聖]第92期、第94期ともに第三局という勝負を左右する中盤の対局で、緊張感がありましたが、対局前から沼津の皆さんに温かく迎え入れていただき、ほどよく緊張感がほぐれ、対局に臨むことができました。
[市長]棋聖は数々のタイトルをお持ちで、全国各地、時には海外などでも対局をされることがありますが、沼津の印象を教えていただけますか。
[棋聖]これまで対局に集中させていただきまして、沼津をゆっくり観光する機会がなかなかないのですが、港も有名ですし、いつも食事が美味しいなと思っています。沼津御用邸記念公園は東附属邸だけでなく、苑地を散策させていただきましたが、とても気持ちのよい場所でした。またじっくり見学してみたいですね。
[市長]沼津市としても藤井棋聖、将棋界を盛り上げられるよう応援していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
[棋聖]ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いいたします。将棋は、対局ごとに新しい局面があります。そのなかで様々な発見や課題を感じることがあるので、この経験を活かして引き続き実力を高めていきたいです。私もまた沼津を訪れることを楽しみにしていますし、沼津の皆さんに楽しんでもらえるような将棋を指せるように取り組んでいきたいと思います。
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