あと5回春が来たら新しいごみの中間処理施設が動き出します
■循環型で持続可能(サステナブル)な愛される施設を目指して
香貫山の東麓(とうろく)、上香貫三ノ洞にある沼津市のごみ焼却施設、清掃プラント。市内の小学校に通っていたことがある人なら、社会科見学などで一度は訪れているのではないでしょうか。
また、季節の変わり目の大掃除などで大型のごみが出たときに、自家用車やトラックでごみの持ち込みをしたことがある人も少なくないのでは。
この清掃プラントは、昭和51年から稼働しているため、建物の老朽化が進み、南海トラフ地震などの大地震に耐えることができません。大きな災害が発生すると、ごみ処理もままならなくなることが想定されています。
そのため、本市では平成20年度より新たなごみ処理施設を整備するための検討を進めてきました。今年度はいよいよ実際に施設の整備・運営を行う事業者の選定を行います。
新施設については、環境負荷を最小限にし、効率的にリサイクルを行う仕組みを取り入れ、環境に優しい施設を目指します。新施設稼働後は、バケツやおもちゃなどの硬質プラスチックを水平リサイクル(※)する計画を採用しており、新施設の整備に合わせたこの取組は、全国初の試みとなります。
これもひとえに、市民の皆さん一人ひとりが、「沼津方式」による丁寧なごみの排出を心掛けているからこそ実現できるものであり、他の自治体ではおよそ真似することのできない画期的な取組となります。
さらに、新施設では、ごみ処理によって生じる熱エネルギーを有効活用した発電を積極的に進めることから、この施設は循環型社会の形成や、地球温暖化防止にも大いに寄与することでしょう。
近い将来、清掃プラント周辺の敷地は、大きく分けて、北側に新中間処理施設、南側に余熱利用施設の2つの施設で構成されることとなります。余熱利用施設については、温水プールを整備するだけでなく、ランニングやサイクリングをする人、沼津アルプスの登山を楽しむ人などの様々な人が交流できる施設とする予定です。
また、この2つの施設の間には、市民の皆さんが集い、憩うことができる広場も整備する予定です。この広場では、子供たちが駆け回って遊び、春には香貫山の桜を見上げたり、秋には紅葉を楽しんだりすることもできるでしょう。
今後、香貫山の麓(ふもと)に位置するこの場所は、サステナブルな沼津を象徴する場所となる期待も込められています。
今回の特集では、新しくなるごみ処理施設[新中間処理施設]について紹介します。
※使用済みのプラスチック製品を原料として、再度、様々なプラスチック製品として再利用すること。
問合せ:新中間処理施設整備室
【電話】055-934-4889
■沼津市新中間処理施設
令和11年(2029年)度に稼働予定の施設。イメージ図では、右側の建物が新しい中間処理施設、左側が余熱利用施設(温水プール)となる予定です。
中間処理とは、収集・運搬された廃棄物について、破砕、焼却、選別等により、容量を少なくしたり、リサイクルできる状態にしたりすることで、ごみの排出者と埋立等による最終処分の「中間に位置する処理工程」となることから、中間処理と呼ばれています。
中間処理は、廃棄物が環境へ及ぼす影響を最小限にとどめ、私たちの生活環境を保全するという重要な役割を担っています。
■事業スケジュール
令和6年4月 施設の整備・運営を行う事業者の選定開始
令和7年6月 落札者との契約締結
令和8年4月頃 建設工事に着手
令和11年4月頃 新施設の試運転開始
令和12年1月頃 新施設の本格稼働を予定
令和12年4月頃 現清掃プラントの解体開始
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