文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】公共交通(2)

2/25

静岡県沼津市

◆自動運転でまちに活力を!
沼津だけでなく、全国的に少子高齢化・人口減少などによって公共交通の維持継続が危ぶまれています。
また、近年では運転手不足も顕著となり、バス路線を維持したくても人手不足により路線バスの廃止・縮小に追い込まれるケースも見られます。
人手不足、すなわち運転手不足は公共交通の維持継続に直接的に影響をもたらし、バス路線が縮小することによって、普段の買い物や通勤・通学、高齢者の通院などもままならない状況も考えられます。
運転手不足という課題の解決策のひとつとして期待されているのがバスの「自動運転」です。
市では、県と協力しながら自動運転バスの実証運行に取り組んでいます。
沼津駅と沼津港を結ぶ観光路線としてニーズが高い中心市街地のメインストリートを自動運転車両が走行することで運転手不足を解消しながら、まちににぎわいをもたらし、自動運転を契機にまち全体の活力の醸成に繋げることも目指しています。
令和5年度には、国土交通省の事業として、ルート上のさんさん通りを右折する沼津港の交差点に、対向直進車の接近状況を確認できる「路車協調システム」を設置しました。自動運転に必要な情報が道路側から届くシステムから得られるデータを、自動運転車両やコントロールセンターに情報提供を行うことで、将来の自動運転レベル4(※)の実装に向けた安全性向上の検証を実施しました。
今年度も引き続き国土交通省からの補助を受け、自動運転車両の大型化、走行速度の高速化を目指します。
さらに新しい取り組みとして、自動運転車両を安全かつ円滑に走行させるための道路空間に必要な施設等を模擬的に構築し、その効果について検証を行います。

■がんばろう、バス!
バスのハンドルを握って24年、ベテラン運転手である杉山孝さんは「道が広いから走りやすい」という沼津市内だけでなく、三島、伊豆長岡、熱海など伊豆箱根バスの営業区間内で、たくさんのお客さんを乗せています。
現在は後進の指導育成も杉山さんの大切な役割。「大好きなアニメのラッピングバスを運転してみたいとか、この車両のハンドルを握ってみたいなんて、後輩たちがバス運転手を志望する理由は様々です。県外出身の後輩もいるのですが、大きなバスへの憧れって今も昔も変わらないんです」と教えてくれました。
公共交通の担い手の最前線にいるバス運転手のやりがいを尋ねると「常連さんのお年寄り、小さな子供、そして最近では観光で沼津に来る外国人のお客さん等ほとんどの人が、運賃を払うときにありがとうや、サンキューって声をかけてくれること。お客さんはお金を払う側なのにこんなにダイレクトに感謝されるんだから、とてもありがたいことだと誇りに思っています」と目を細めます。
バスの運転手不足が懸念される昨今、市内を運行するバス会社3社では、連携して運転体験会などを開催し、担い手確保に奔走しています。
入社時に大型免許・大型二種などの免許を持っていなくても、丁寧な育成プランでバス運転手への道をサポートする制度も充実しているそうです。
採用情報等の詳細は、各バス会社のホームページをご覧ください。

※自動運転レベル4とは、特定条件下で運転手が介在せずに、自動運転システムがすべての運転を行うことです。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU