■第6回 地域で守る
近年、人口減少や生活様式の変化などを背景に、地域の貴重な文化財や祭りなどが失われつつあります。市では、有形・無形の文化財をまちづくりに生かし、地域社会総がかりで文化財を継承していく一環として、文化財保存活用地域計画を作成します。6人の文化財保護審議委員が、身近な文化財を紹介します。
◆大知波桜(おおちばざくら)
湖西市大知波地区の大神山八幡宮(おおかみやまはちまんぐう)の入り口にある鳥居の横に「大知波桜」があります。大知波桜は、カンザクラ(寒桜)の一種でカンヒザクラとヤマザクラの自然交配種と考えられていますが、花の大きさや密生度、咲く時期に特徴があることから「大知波桜」と命名されています。
昭和41(1966)年ごろに地元住民が苗木を植え、1月下旬から2月にかけて咲く早咲きの桜として地元住民から親しまれています。また、開花時期が受験シーズンと重なるため、薄ピンク色の桜の傘のような景観も相まって縁起の良い桜として多くの参拝者が訪れています。
◆地域で守る文化財
平成27(2015)年に、地域の貴重な財産として大知波桜を保存・育成していこうと、地域の有志が「大知波桜を守る会」を結成しました。会では、原木から切り取った枝で挿し木をし、苗木をつくり、令和6年までに市内外に238本の植樹を行っています。また、施肥や草取りなどにも取り組んでいます。
文化財は、地域にあって、人々に使われ、大切にされ、引き継がれていくことで、地域の宝となります。文化財を保存・活用する担い手は、私たち住民ですが、楽しいからこそ活動が続いています。まずは、身近にある文化財に少し目を向け、楽しんでください。
(片山愛司)
市内の文化財を紹介した冊子は市ウェブサイトで紹介しています。詳しくはこちら
※二次元コードは本紙16ページをご覧ください
問い合わせ先:文化観光課
【電話】053‒576‒1140
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