出張版病院広報誌「ひだまり」Vol.4

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整形外科長兼スポーツ整形外科長
朔(さく)伊作(いさく)
・日本整形外科学会整形外科専門医
・日本スポーツ協会公認スポーツドクター

■運動によるけがと治療について
運動は、健康や体力づくりのためのものから競技種目までとても幅広く、多くの人たちにとって身近なものになっています。
しかし、どのような運動にもけがをするリスクがあります。今回は運動中に起こるけがとその治療について説明します。

■誰にも起こり得るスポーツ外傷・障害
「スポーツ外傷」とは、スポーツ中に転倒したり、他のプレーヤーと接触したりするなどして、大きな力が外側から加わり発生する急性のけがのことです。骨折や脱臼、靭帯(じんたい)損傷、腱断裂などのけががあります。
「スポーツ障害」とは、スポーツ活動の継続により過度な負担が体の特定の部位に蓄積し、徐々に組織が損傷して痛みなどを生じる疾患のことです。代表的なものに野球肩、テニス肘、アキレス腱炎、疲労骨折、腰椎分離症などがあります。成長期にある小学生から高校生の年代の方では、骨端症や離断性骨軟骨炎などの特有の障害が起こることがあります。
スポーツ外傷・スポーツ障害ともに、誰にでも起こり得るもので、けがなどをした後、適切な治療を受ける必要があります。

■スポーツ整形外科にご相談を
スポーツ整形外科は、スポーツ外傷・障害を扱う診療科です。競技スポーツの方のみでなく、学校体育やレクリエーショナルスポーツ、中高年の方の運動・体力作りまで、幅広い層を対象としています。
スポーツ外傷やスポーツ障害は、初めの診断がとても重要で、診察や画像検査により正確な診断をし、早期に治療を開始し、早期運動復帰につなげることが大切です。
近年は、画像検査としてはMRIや超音波画像装置が普及し、診断する精度が向上しています。外傷や障害によっては手術を必要とする場合もありますが、関節鏡という内視鏡を用いたダメージの少ない手術が普及・発展してきたことで、早期復帰が可能となっています。
さらに、トレーニング理論を取り入れたリハビリテーションを行うことで復帰後の再発を防ぐことにもつながります。
競技種目や年代、性別により特有の外傷・障害があり、その診断や治療には一般の整形外科とは別の専門性が求められます。スポーツ外傷・障害でお困りの方は、まずはお近くの診療所やクリニックを受診してください。専門的な診断や治療が必要と判断された場合には、紹介状をご持参のうえ、当院へ来院をお願いします。

問合せ：市立総合病院　病院経営戦略課
【電話】623-3111(代)