■会議をするなら熱海で!
熱海市長 齊藤 栄
先日、熱海市は株式会社JTBと連携協定を結びました。その協定の大きな目的は、熱海におけるビジネス利用の促進です。
なぜこの協定が必要なのか。現在、熱海の来遊客はコロナ禍を経て戻りつつありますが、人口減少が進む中、個人観光客を対象とした誘客だけでは、近い将来厳しい状況になることが予想されるからです。
観光地熱海の一年は、忙しい時とそうでない時の差が大きくあります。これは個人客の休みに連動するためで、具体的には3月と8月以外は宿泊施設にかなり余剰があります。この閑散期に、ビジネス利用を目的にした新たな顧客を開拓していきたいと考えています。
熱海は歴史的にも重要な会議が行われてきました。明治時代に伊藤博文や大隈重信が国会の開設など日本の将来を熱海で議論し、昭和の時代には松下幸之助氏が松下電器産業(現パナソニック)の再起をかけた会議を熱海で行っています。これは都心から近いといったアクセスの良さに加え、豊かで美しい自然環境、そして何より温泉が創造力を刺激する非日常空間を作り出しているからでしょう。
もちろん、新たな顧客の創造は容易なことではありません。しかしながら、熱海におけるビジネス利用の促進は、中長期の視点で取り組むべき重要施策の一つです。経営会議や知恵出しの開発会議、社員研修や学会、商談など、「ビジネスシーンで使える観光地といえば熱海!」ということが常識となるよう取り組んでまいります。
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