6月7日は「緑内障を考える日」。緑内障を早期に発見し、治療につなげるため、定期的に目の検診を受けましょう。
緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝える神経(視神経)に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、治療が遅れると失明に至ることもあります。日本では、40歳以上の20人に1人、70歳以上の10人に1人がかかる目の病気です。
■「隠れ緑内障」とは
緑内障の進行はとてもゆっくりで、脳には視野に欠損があってもそれを補う仕組みがあるため、病気がかなり進行するまで、自覚症状はほとんど現れません。そのため、「隠れ緑内障」の人が多いのが特徴です。
■眼圧が高い人は特に注意
緑内障は眼圧(眼の硬さ)が高くなり、視神経が圧迫されることによって引き起こされます。しかし、日本人は眼圧が正常範囲内でも緑内障になる「正常眼圧緑内障」が多いため、眼圧が正常でも注意が必要です。
■緑内障の検査と治療方法
両眼に空気を吹きかける検査や、眼に光をあてる検査を受けたことはありませんか?これらは眼圧や眼底の異常がないか確かめるための検査です。検査で異常があった場合は、再検査で視野検査などを行います。
緑内障の治療は、まず点眼薬から始め、外科的治療を検討します。緑内障の検査や治療は基本的には生涯にわたって必要です。
一度障害を受けた視神経は元に戻らないため、緑内障による視野障害を完全に回復することはできません。しかし、適切な治療を行うことで、視野障害の進行速度を遅らせることは可能です。
■定期的な検診で早期発見を!
緑内障は本人が自覚しにくい病気です。一年に一回程度、地域の眼科や眼科検診のある人間ドックで検診を受けましょう。
緑内障は一度起きてしまうと、回復することのない病気だからこそ、早期に発見し、治療を適切に続けていくことがとても大切です。
藤枝市立総合病院 眼科医長 浅川卓也医師
問合せ:市立総合病院
【電話】646・1111
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