うわあっ!!
喜多さん:元気がいいなぁ〜。あの少年が持っている球はなんだろう?
弥次さん:さっき学校の外で、少年たちがあの球を使って蹴鞠(けまり)をしていたよ。私も昔は蹴鞠をしたけれど、確かこの辺りには蹴鞠の名手がいたような…。
■藤枝のサッカー文化
江戸時代、藤枝宿屈指の豪商として栄えた大塚家(奥州屋)の兄弟は蹴鞠に秀でており、蹴鞠装束の免許状を受けるほどの実力だった。それから約150年後、大正13年に志太中学校(現・藤枝東高校)の錦織校長がサッカーを校技とし、サッカーのまちとしての歩みが本格的に始まる。
弥次さん:はぁ…、調子に乗りすぎて疲れてしまった…。少し休憩したいが…。
喜多さん:みてみて、弥次さん!いい場所があったよ。本もいっぱい置いてあるよ!
弥次さん:おお!色んな本が置いてあるな!なになに、これは自由に読めるのか。なんといい場所か!では1冊読んでみよう…。
3時間経過。
喜多さん:弥次さん、いつまで読んでるの…。ぼくお腹空いたから近くのお店でおまんじゅう買ってきたよ。
面白い本ばかりで居心地も良いからつい時間が経ってしまった…。
■岡出山小路(こみち)
日本遺産構成文化財や神社仏閣、公園などの歴史文化資源が多く存在する藤枝旧市街地エリアにある。さらなるにぎわいや回遊性の向上を目的に、令和6年3月に完成。また、令和7年3月まで「あおぞら本棚」を設置。誰でも自由に本を借り、読むことができる。小路では、ほかにもマルシェやライトアップなどを行い、新たな憩いの場となっている。
弥次さん:早く宿に向かわねば…、おや?この光は…?
弥次さん:なんと荘厳な景色…。この松は以前旅した時も藤枝宿の目印となっていたな。
喜多さん:大きいから遠くからでもよく見えたね。770年前に植えられたんだって。
■大慶寺(だいけいじ)
東海道22番目の宿場町・藤枝宿の中央、本陣近くに位置し、県天然記念物である久遠(くおん)の松(樹高約26m)がある。令和6年11月には藤枝宿周辺のお寺や神社をライトアップするイベント「藤枝宿あかりめぐり」が行われた。
喜多さん:この時代は夜でも明るいねぇ
弥次さん:さてと、宿に向かうとするか。
翌朝。
弥次さん:水戸藩主・徳川光圀(みつくに)公が食べたという「ラーメン」を朝食べるのが藤枝の新名物らしいぞ。
■朝ラーメン文化
1697年、徳川光圀が日本人として初めて中華麺を食べたといわれる。その後、1858年の日米修好通商条約に伴う開港がきっかけで、海外の食文化が広まる。藤枝では茶産業に従事する人たちのために、朝早くからラーメンを提供する文化が根付いた。
※諸説あり
喜多さん:朝からたくさん食べて、お腹がはちきれそうだ…。少し散歩して腹ごなししよう。
ちゃんと温・冷2杯のラーメンを食べた
喜多さん:ここはなんだろう?
芝居がみられるよ!寄っていって!!
■ひつじノ劇場
劇作家である山田裕幸(ひろゆき)さんが、かつて白子名店街に設けた「白子ノ劇場」が藤枝二丁目に移転。2月8日に、新たに「ひつじノ劇場」としてオープンする予定。
喜多さん:芝居見たらもうお腹空いてきたなぁ。藤枝の有名な食べ物がまだあるみたいだから向かってみよう!
弥次さん:えっ!?もうお腹空いたの!?
喜多さん:それにしても、この時代は大きくて速い乗り物がビュンビュン走っていくね。あれに乗ったら伊勢まですぐ到着できそうだ。
※江戸時代の主な移動手段は徒歩。荷物を運ぶ時は、大八車(だいはちぐるま)がよく使われていました。
東海道沿いを歩いてきた2人。
喜多さん:藤枝のごはんといえばこれだよね!瀬戸の染飯(そめいい)!
■瀬戸の染飯
もち米を蒸した強飯(こわいい)をクチナシの実で黄色く染め、すりつぶして干したもの。足腰の疲れを取る食べ物として評判だった。
瀬戸の染飯で満腹になった喜多さんは、弥次さんとともにさらに西へ。
この風景は昔と変わらないなぁ…
■東海道松並木(上青島)
松並木は江戸幕府が各所の街道に松や杉を植えたのがはじまりといわれ、旅人を日差しや風雨から守る役割があった。約150mの松並木は今でもその景観が守られている。
喜多さん:うわっ、急に雨が降ってきた!松並木の間に建物があるけれど、ここは茶屋かな?ひとまず雨宿りさせてもらおう!
■丸七(まるしち)製茶本店
旧東海道日本遺産と藤枝の茶文化を発信する拠点として、令和6年10月にオープン。1階は物販、2階はカフェスペースになっている。江戸時代に書かれた古文書には「茶園」の記載があり、藤枝でもその頃から茶業が盛んだったといわれている。
喜多さん:うわぁ~!
弥次さん:私たちもお茶をいただくとするか。
う、うまい!
弥次さん:これはとても上等なお茶だな…!さすが茶どころとして有名な藤枝のお茶だ。
喜多さん:お、一息ついている間に雨があがったみたいだ。そろそろ次に向かおうか!弥次さん、まだまだ旅したくなったんじゃない?
弥次さん ここで一首
※詳しくは本紙をご覧ください。
弥次さん:見たことが無いような場所やものもたくさんあったけれど、昔の面影も残っていたね。
喜多さん:いまの時代もなかなか良かったねぇ!
現代の藤枝を満喫した、弥次さんと喜多さんなのでした。
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