本市では「考える力」の育成を大切にした「袋井型」授業づくりを進めています。
誰もが多種多様な情報を手軽に入手することができる現代社会では、情報の真偽を見極め、自分自身でよく考え、判断する力を身に付けていくことが大切です。市では、考える力を育て、他者と共に学び合い、課題を解決していくことのできる子どもたちを育んでいます。
■「考える力」を大切にした学び
全国学力・学習状況調査は、文部科学省が全国の小学6年生と中学3年生全員を対象に毎年実施している調査で、子どもたちの学力や学習状況を把握・分析することで、課題点を洗い出し、授業改善に役立てています。
今年度の学力状況調査(実施教科…国語・算数(数学)・英語(中学生のみ))の結果をみると、中学3年生の数学では全国平均を上回っており、学習した内容がよく定着していることが分かりました。一方、小・中学生ともにどの教科でも無回答率の高い設問が散見されました。問題を解くためには、問題文を読み解く力や自分の考えを文章に書き表す力が必要です。これらの力の根本となっている「考える力」を伸ばすため、市では「袋井型」授業づくりに取り組んでいます。
◇令和5年度全国学力状況調査の結果(%)
※問題の軽重に関係なく、全問題中の正答割合(平均正答率)を示したものです。また、市の結果については、整数での集計となっています。
■読書で「考える力」アップ!
全国学習状況調査では、生活習慣等に関する設問に回答します。今年度の結果を分析すると、読書が好きな児童生徒や規則正しい生活をしている児童生徒は、学力状況調査の正答率が高い傾向にあることがわかりました。
特に読書については、新たな情報を得たり語彙を増やしたりすることで読解力が向上し、考える力の基礎になっていると考えられます。ご家庭でも読書習慣が身に付くよう、お力添えをお願いします。
◇学力状況調査の正答率が高い児童生徒が肯定的な回答をした設問
・読書が好きである
・朝食を毎日食べている
・毎日、同じくらいの時刻に寝ている
■より良い「袋井型」授業づくりのために先生も勉強中!
市では、定期的に市内の教職員を対象とした研修を開催しています。大学教授を講師に招いて授業の改善点の指導や考える力を伸ばしていく方法についてお話しいただき、「袋井型」授業づくりにつなげています。
■市では、次の3つの要素を組み込んだ「袋井型」授業に取り組んでいます
例:小学3年 社会科「はたらく人とわたしたちのくらし」
【1】「?」型の学習課題を設定
「どうしたら●●できるかな?」
「なぜ●●なのかな?」といった「?」の形で設定した学習課題について考えていきます
「なぜスーパーマーケットは多くの人が利用するのかな?」
【2】対話や議論の場を設定
それぞれの思いや考えを伝え合い 学びを深めていきます
「商品が多いからじゃない?」
「多いだけが理由なか?」
「種類も多いよね」
「種類が多いから、いろんな人が来るんだと思う」
【3】「個のまとめ」を書く時間を設定
授業の終わりに、学習課題に対して自分自身が納得した考えをまとめとして書き出します
「スーパーマーケットが多くの人に利用されるのは、商品が多いからだと考えていたけれど、買う人にとって、しゅるいの多さや新せんさも重ようで、お店の人がお客さんの求めていることを考えてはん売しているから、たくさんの人が集まるのだと思う。」
問合せ:学校教育課指導係
【電話】86-3222
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