昨年、市民の方から市内で撮影された東京1964オリンピックの聖火リレーの写真を寄託いただきました。当時の様子が分かる貴重な歴史的資料です。7月26日のパリ2024オリンピック開幕にあわせ、寄託いただいた写真やその他関連資料、本市出身オリンピアンなど、オリンピックと袋井の関わりを紹介します。
◆東京オリンピックの聖火をつないだ袋井の若者
1964年(昭和39年)、日本で初めてのオリンピックが東京で開催されました。
10月10日の開会式を前に、8月にギリシャで採火された聖火がアジア諸国を経由して9月に沖縄に到着し、4つのコースに分かれて全都道府県を巡りました。本市を聖火リレーが通過したのは、10月4日のことでした。
聖火ランナーは各市町村から選ばれた16〜20歳の若者が務め、正走者1人・副走者2人・随走者20人で構成されたリレー隊が聖火をつなぎました。旧袋井市からは2隊、旧浅羽町は旧福田町(現・磐田市)と共に1隊で参加しました。
本市から浜松ろう学校(現・浜松聴覚特別支援学校)に通っていた金原俊(すぐる)さん(当時高等部2年生)は、静岡市で聖火ランナーを務めました。歴史文化館には、兄の勤さんより寄贈いただいた当時使用したゼッケンとユニフォームが収蔵されています。
◆袋井を駆け抜けた聖火リレー
川井地区で撮影された聖火リレーの古写真を、昨年度、撮影者・榊原敏男さん(川井)のご家族の方から寄託いただきました(本紙表紙および2ページ掲載、計4枚)。写真には、聖火ランナーの隊列が当時の国道1号線(現在の県道413号磐田袋井線)を駆け抜けていくまでが写っています。
写真は、聖火リレーを盛り上げるために沿道に出した川井地区の屋台の上から撮影されたものといわれています。多くの人が沿道で聖火リレーの通過を見守っている様子や、現場の高揚した空気感が伝わってきます。
※詳しくは本紙をご覧ください。
◆近年のオリンピックと袋井の関わり
本市は、近年においてもオリンピックと様々な関わりをもっています。
2021年に開催された東京2020オリンピックでは、エコパスタジアムおよびその周辺で聖火リレーが開催されました。また、アイルランドオリンピックチームの事前キャンプを受け入れ、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じながら、チームを全面的にサポートしました。
そして、直近の北京2022オリンピックのフリースタイルスキー・男子モーグルには豊沢地区出身の杉本幸祐(こうすけ)選手が出場。見事、本市初の冬季オリンピックでのオリンピアンとなりました。
◆本市初のオリンピアン
小野田一雄さん
パリ2024オリンピックは、パリで3回目のオリンピックとなります。前回の開催は、ちょうど100年前の1924年(大正13年)。この大会に、本市初のオリンピアン・小野田一雄さんが競泳の選手として出場しました。
1900年(明治33年)、今井村(現・太田)に生まれた小野田さんは、幼い頃から病気がちでしたが、よく太田川や原野谷川で水遊びを楽しんでいました。水遊びが転じて水泳が好きになった小野田さんは、浜松第一中学校(現・浜松北高校)入学後、水泳部で本格的に競技に取り組みました。
大学でも水泳を続けた小野田さんはクロールで頭角を現し、競泳チームの主将としてパリオリンピックに出場。男子800メートル自由形リレーで4位入賞を果たし、日本水泳界初のオリンピック入賞者となりました。その後も、極東大会(現・アジア大会)にも3回連続で出場し、計3種目で優勝するなど、日本を代表する水泳選手として活躍しました。
晩年は市内でオリンピック出場を目指す後進の育成に努めました。
◆歴史文化館ミニ展示「袋井・オリンピックの記憶」展
本紙で紹介したオリンピック関連資料を展示します。
日時:7月16日(火)~9月25日(水)午前9時~午後5時
(入館…午後4時30分まで)(土・日曜日、祝日休館)
場所:歴史文化館(浅羽支所2階)
料金:無料
問合せ:生涯学習課文化財係
【電話】23-9264
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