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《特集》新春対談 ウーブン·バイ·トヨタ(株)CEO 隈部肇×裾野市長 村田悠(2)

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静岡県裾野市 クリエイティブ・コモンズ

◆組織づくりは互いの尊重とチームワーク
隈部:よくダイバーシティといいますが、人と人が仕事をするわけですから、みんなが尊重し合っていいチームワークで仕事ができる、そういう組織が一番いい組織だと私は感じています。弊社は本当に多くの国の人が集まっている会社ですので、相互に信頼·尊敬し合う、周りの人に感謝しながら仕事ができる、そういった会社、組織が理想だと考えています。
市長:私が組織づくりで注力したのはやはり市長戦略の作成です。ミッションとビジョンをつくって、バリュー、日本一市民目線の市役所をつくるという根幹を決めました。そのためにはどう行動していけばいいのか、これはトヨタのフィロソフィーとも似ているところがあるのではないかと思います。やはり組織の一体化、戦略的に何をやりたいのかということを職員に周知をして、このまちはどういう方向に進んでいくのか。この体系化は非常に難しかったです。変わらなければいけないと思っている職員もいるのだけれども、どうせ言っても無駄だろうというような。その中で、コスト意識の徹底がありました。今まで裾野市というのは将来投資事業にあまり積極的にやってこなかったのです。しかしながら、この事業に関しては、しっかりと根拠がある、市民のためになるということであれば、しっかり予算をつけていく。さらにはスピード感を持ってやっていくこともとても大切だと思っています。

◆新しいことへのチャレンジ
隈部:新しいことに取り組む、これは勇気が要ることだと思います。個人でも会社でも勇気が要ることです。でも、進まないと変わらない。だから、いかにみんなをモチベートして変わっていくか、そこはすごく大事だと思います。市長もおっしゃったように、パーパス(目的)、ビジョン、ミッションをしっかり設定して、それを伝えて、フィードバックももらいながら進めていく。新しいことにはチャレンジするときには、リーダーとしてしっかり道筋を示して、そして、みんなが勇気を持ってついてきてくれるために、心理的安全性を担保した環境をつくる。そうした点は、企業であろうと自治体であろうと一緒だと思います。特に新しいことに取り組むときには、この視点がとても大切だと思います。

◆ウーブン・シティはモビリティのテストコース
コーディネーター:まさに新しいプロジェクトであるウーブン・シティ、詳しくどういう場所を目指しているのか、どのような場所なのか、お聞かせください。
隈部:トヨタがモビリティカンパニーに変革するためには、いいクルマをつくることももちろん大切ですが、いかに人の暮らしや社会とつながり、理解を深めるかということもとても大事なことです。そのためには、クルマだけでなく、ヒト・モノ・情報といった様々なモビリティと社会インフラとの関わりをしっかりテスト、検証できる場が必要です。ウーブン・シティは、まさにトヨタがモビリティカンパニーに変革するためのいろんなネタをしっかりテストする場所、テストコースだという点がまず一番重要なポイントです。テストコースですので、完璧ではないものをテストすることもありますし、自由に誰もが出入りできるような場所ではありません。だからこそ、トヨタが公共の土地ではなく自分の土地で、皆様の税金ではなく自分のお金を使って、しっかり造っていきます。ただ、そこにはトヨタだけではなく、多くの想いを共にする仲間に集まってもらって、この先50年のモビリティ社会に必要な、「未来の当たり前」となるような技術を作って、社会に届けていきたいと思っています。トヨタの今までのクルマのテストコースも重要ですし、ウーブン・シティのような実際の人の生活があるテストコースという環境もとても大事なことなのです。

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