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挑戦するかがわのものづくり企業(65)

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香川県

電気信号を伝送することで情報を伝える通信用電線。堅実なものづくりで情報化社会を支える、香川の企業を紹介します。

◆伸興電線株式会社
【住所】さぬき市志度1298番地12
設立:1959年
【電話】087-894-3151
【HP】http://www.shinko-ew.co.jp/

■情報化社会を支える「地球3周半」の年間製造力
◯タイムリーな製造と配送で全国主要ランドマークにも導入
電線には、動力源としての電気エネルギーを輸送する「強電線」と、電気信号を伝送し設備や機器の動きをコントロールする「弱電線」の大きく2種があります。伸興電線は主に弱電線の製造を手掛けるメーカーです。「人体でいうと強電線は血管、弱電線は脳の指令を伝える神経のようなもので、両方そろわないと体は動かせません。この『神経』の役割を果たす電線が私たちの得意分野で、当社の製品はあらゆる分野で社会のインフラを支えています」と、代表取締役社長の尾﨑勝(おざきまさる)さん。
同社は1959年に大阪で創業し、77年に香川へ全面移転。移転当時は日本電信電話公社の指定メーカーとして主に電話線を手掛けていましたが、時代の流れとともに販路を一般民需へ転換。通信用電線であるLAN・消防・制御・防災・映像用ケーブルなど、現在の同社の製品は主に建物の中で使われています。「私が社長になった約20年前は、中・小規模施設の案件がほとんどでした。お客さまとのつながりが深く安定感がある半面、お客さまの景気に左右されやすいリスクもあります」と語る尾﨑さんは、大手電気工事業者やスーパーゼネコンが手掛ける大型施設のシェア拡大に乗り出し、新国立競技場やあべのハルカスなど数々のランドマーク建設に関わるチャンスを獲得。大型の建設工事は納入の条件が厳しいため、いつ・どこであっても指定されたとおりの搬入ができるよう、全国4カ所に拠点倉庫を構え、自社契約の車両やドライバーによる配送体制を整えています。「必要な時に・必要な量を・必要な場所へ届けるのが当社のモットーです」と尾﨑さん。物流ネットワークの確立に伴い、現在は大型施設への納入が中・小規模施設とほぼ同じ割合まで伸びてきました。

◯銅の調達は社長自身が担当 新たな販路も視野に新分野に挑む
弱電線分野で国内シェア3〜6割を占める製品をはじめ、3千種以上の製品をつくれる多品種少量生産が同社の強み。1年間に製造する電線の総延長は14万8千キロ、地球3周半に相当するともいい、その主原料となる銅の調達は尾﨑さん自身が担当しています。「原料を調達する時は銅の重さ、製品を販売する時は電線の長さで価格が決まります。当社の場合、売上額の半分は銅の仕入額が占めるため、銅相場の動きを常に注視し、どのタイミングでどのくらい発注するか、大局観を持って判断する必要があります。営業や製造現場の頑張りに応えるためにも、私自身が責任を持つべき仕事です」。
銅線の太さを0・001ミリ単位の精度で追求し、生産性の向上を目指しつつ、新しい分野の開拓にも意欲的。今は機器用ケーブルの自社製造を視野に入れています。「機器用ケーブルは自動販売機や家電など市場が非常に広く、エンドユーザーの顔が見えるのも魅力。今は他社から仕入れていますが、自社でつくれるようになれば販路が大きく広がるでしょう」と尾﨑さん。「あくまで今の私たちの力量に合わせながら、コツコツ成長していきたいと思っています」。

問い合わせ先:(公財)かがわ産業支援財団取引支援課
【電話】087-868-9904

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