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挑戦するかがわのものづくり企業(63)

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香川県

あらゆる機械装置に電気や信号を送ることで「命」を吹き込む制御盤。工場やインフラ施設の現場に欠かせないものづくりを若手職人の手で丁寧に手掛ける、香川の企業を紹介します。

◆光和電機株式会社
【住所】高松市御厩町879-10
【工場】高松市香川町川内原1632-4
設立:1974年
従業員数:23人
【電話】087-879-6161
【HP】https://www.kowa-denki.co.jp/

■工場や施設の「司令塔」装置若手職人の手で一つ一つ
自動で動く機械には、動きをコントロールするための「制御装置」が組み込まれています。例えば、家庭の洗濯機には、(1)洗濯槽に水を入れ、(2)適量で水を止め、(3)モーターを回し、(4)時間が経つとモーターを止め、(5)水を排水する―などたくさんの工程があります。その工程を管理し、指令を行っているのが制御装置です。
制御盤とは、多くの制御装置や機器類が収納されている金属などで出来た箱を指します。工場の機械設備や身近にある社会インフラの施設、設備において、それらを自動で動かす時には大小さまざまな制御盤が必要になります。制御盤は言わば、あらゆる機械装置の作動に必要な信号や情報をつかさどる「頭脳」であり、隅々までエネルギーを供給する「心臓」です。「社会から制御盤がなくなれば、一つ一つの工程を人間の目で見ながらスイッチを押す必要が出てくると思います」と、光和電機株式会社の代表取締役・千馬弘幹(ちばひろき)さんは話します。

同社は、主に社会インフラに関わる設備や機械を動かす制御盤を手掛けています。これまで工事現場で発生する濁水を浄化する水処理装置の制御盤や、大きな電力を使う金属圧縮機の制御盤などを製造してきました。
動かす機械によって機能が違うため、制御盤は基本的に全てオーダーメードです。同社の特徴は、設計から板金、組み立て、配線までを自社一貫体制でできる生産体制です。同業他社は協力会社と分業することが多い一方、同社は顧客の要望にきめ細かく応えていくうちに現在の体制ができあがりました。
「さまざまな要望を的確に形にして、お客さまから信頼されることを最も重視しています」と千馬さん。同社はリピーターが多く、主要顧客である県内の機械・設備メーカー数社とは少なくとも20年以上、長い顧客とは創業当初から半世紀近い付き合いがあると言います。

強みである一貫体制を支えるのが、現場の技術者たちです。従業員は30〜40代が中心で、驚くことに、入社した時点では機械加工などの知識がなかった人がほとんどだと言います。ゼロからスタートし、一台ごとに仕様の違うオーダーメードの現場で幅広い知識と技術を身に付けます。同社は人材育成にも力を入れていることもあり、やがて従業員は各部門へのエキスパートへと成長していきます。
「華やかな先端分野に比べると、私たちの仕事は一見ローテクで裏方かもしれません。しかし、目覚ましく進歩する情報関連産業や製造業のIT化・省力化・自動化の動きを支えているのも、制御盤なんです。産業を支える重要な仕事であることを、若い人たちに伝えたいですね」。千馬さんの言葉からは技術者の誇りがうかがえました。

◎制御盤の製造技術を生かし、受託開発も手掛ける。写真は木材会社の依頼で開発した独自の自動測定装置。木の強度を測るため、荷重をかけてたわみを測定。重労働だった測定作業の自動化に成功した。
※写真は広報紙9ページをご覧ください。

問い合わせ先:(公財)かがわ産業支援財団 取引支援課
【電話】087-868-9904

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