四季を通して温暖な気候、自然災害の少ない地盤、充実した交通網、コンパクトで快適な生活環境など、企業立地に適した香川県。2020年度以降、県の企業立地件数は順調に増え、23年度は56件で過去最多を記録しました。そのうち、情報通信関連企業が9件に上るなど、魅力ある優良企業が香川に次々と進出しています。
◆せとうち企業誘致100プラン
県は、優良な製造・物流業などの拠点整備や、若者にとって魅力のある情報通信関連企業の立地を促進するために、「せとうち企業誘致100プラン」を策定。5つの柱を立て、5年、10年先を見据えた戦略的な企業誘致に取り組んでいます。
◯5つの柱
1.企業誘致の基盤となる用地の確保
2.本県の立地企業の活動を支える交通・物流拠点網・インフラの充実
3.企業ニーズに沿った人材確保の支援
4.本県独自の企業誘致助成制度や税制優遇等による支援
5.各種技術支援・ワンストップサービスの一層の充実
◎香川県の企業立地件数(年度)
(県企業立地推進課調べ)
うち情報通信関連企業9件(過去最多)
◆情報通信関連企業の主な立地状況(2022年度以降)
◯高松市
・日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(株)
・(株)ハイレゾ、(株)アーク・ジオ・サポート
・(株)スウェルデザイン
・(株)トライトキャリア
・(株)スミセイハーモニー
・LR(株)
・シーアンドエス(株)
・(株)電通プロモーションエグゼ
◯さぬき市
・キリロムデジタル(株)
◯綾川町
・(株)ハイレゾ
◯まんのう町
・LR(株)
■日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 情報通信関連
本社:東京都港区虎ノ門
香川県の立地場所:高松市古新町
開設時期:2023年7月
先進的なデジタル技術と知識を生かし、お客さまの新たなビジネスモデルの構築やシステム開発などを支援する日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社が、高松市に四国地域初のIBM地域DXセンターを開設しました。高松市を拠点に国内外の企業のシステムやアプリケーションの開発、地域のDX人材育成の取り組みを通じて、地域経済に貢献しています。
◯四国初の「IBM地域DXセンター」を設置 3つの機能で香川をデジタル先進地に
《香川で国内外のシステム開発ができる》
これまで首都圏に行かないと実現できなかったシステム開発が、香川にいながら国内や海外の仕事に携われるように。
・銀行の残高照会や入出金できるアプリ開発
・製造業の生産・管理システムの構築など
《自治体や地域企業と新たなビジネスを創出》
自治体や地元企業にDXを活用した新たなビジネスを提案、地元のIT企業との協業に向けたイベントの開催。
・産官学連携で地域の課題解決や活性化の取り組みを検討中
《地域のデジタル人材の育成》
デジタルを活用しながらアイデアを具現化する地域DXワークショップを地元の企業や学生、自治体職員などと連携して開催。
・一般の社会人や学生を対象にした「人財育成プログラム」の開催
◯香川で活躍する社員にお聞きしました!
《システム開発と農業の二刀流を実現》
◎逸原(いつはら) 佑太さん
県外の会社でSEとして働いていましたが、実家が三豊市で兼業農家をしており、将来は跡を継ごうと考えていました。当社は在宅で仕事をしながら農作業もできるので、時間も融通が利き、とても働きやすい環境です。農業をしながら、世界で通用するITエンジニアを目指しています。
《全国規模のプロジェクトを香川で》
◎松村 仁さん
前職は製造業の会社の社内SEで、自社システムの開発と保守が中心でした。今はさまざまな業種のシステム設計から開発まで携わることができ、香川にいながら全国規模の大きなプロジェクトも任されるので、やりがいがあります。ITのプロフェッショナルとして、製造業の課題をシステムで解決していきたいです。
◎IBM地域DXセンターのメンバー。中には香川を気に入り移住した人も
※詳細は広報紙5ページの写真をご覧ください
◯8月にフロア増設 地元企業との協業拡大を視野に
◎代表取締役社長 井上 裕美さん
香川県は、災害が少なく、街がコンパクトで交通の利便性にも優れているため、事業継続や社員が安全に生活できる環境が整っています。県や市が情報通信関連企業の誘致に積極的で、デジタル化で市民の快適な生活を実現しようという機運が高まっていたこともIBM地域DXセンター開設の後押しになりました。開設から1年、仕事量や社員数も順調に増えてきたため、24年8月にフロアを増設。今後は地元の企業と更に協業し、香川の経済に貢献していきたいと考えています。
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