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多様性を認め合う アートの力

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香川県

小倉優香(おぐらゆか)さんの絵の描き方は独特だ。下書きをせず、マジックで描き出す。大小の枠を細かに描いたかと思うと、赤、青、黄の鮮やかな色を大胆にのせていく。優香さんは描く時、特に手本を用意しない。昔見た図鑑や映像の記憶をたどって描く。優香さんの頭の中では、世界中の生き物たちが色鮮やかに躍動しているのだろう。
優香さんは3歳の時に自閉症スペクトラム障害と診断された。家でもほとんどしゃべらず、会話は困難だった。小学校時代は目を離すとすぐにいなくなり、母親の優代(まさよ)さんが警察に捜索願を出したこともある。優代さんは仕事で家を留守にすることが多く、祖母が優香さんに、文字や算数、そして洗濯、掃除、自転車の乗り方を教えた。
優香さんは昔から絵を描くことが好きで、特別支援学校時代から絵日記を書いていた。本格的に絵を描き始めたのは、ほんの5年前。優香さんの絵日記を見た当時の坂出市民美術館の館長がその才能に驚き、絵日記を何点か引き伸ばして展示した。他の美術作家のアドバイスも得て、大きなキャンバスに描き始めると、優香さんの世界は一気に広がって行った。
その後、優香さんが通う福祉施設職員の松川美千代(まつかわみちよ)さんとアイデアを出し合いながら、生き物をモチーフにした作品を次々に制作。県障害者芸術祭2022に出展した「YUKA(ゆか)いな水族館」は、NPO法人香川県社会就労センター協議会が制作・販売するエコバッグのデザインにも採用された。
「皆さんのおかげで、こんな絵が描けるようになって」。母親の優代さんが作品を見つめる。優代さんには昔から大事にしている信念があると言う。それは「娘を信じること」。自分が心に余裕を持つことで、優香さんに笑顔が生まれ、優香さんを応援してくれる人が増えた。
「これからも健康に気を付けて、大好きな絵を描き続けてほしい」。優香さんは母や支援者から大きな愛情を受けながら、今日もキャンバスに向かう。

■障害者の文化芸術活動をサポート
◯香川みんなのアート活動センター「KAGAWA MOVES(カガワムーブス)」活動中!!

県障害者芸術祭2022(次回は2025年予定)
・音楽ライブ
・ダンス
・Tシャツアート展
・リズムワークショップ 毎年随時
・まちかどアート展
・アートワークショップ 毎年随時
※詳細は広報紙5ページをご覧ください。

◯「KAGAWA MOVES」って?
この事業は、県が2021年に業務委託してスタートしました。さまざまな文化芸術活動を支援し、共生社会の実現を目指しています。

《相談支援》アート活動がしたい!
アートの専門家や関係機関と連携し、情報提供やアドバイスを行います。

《発表・鑑賞》自分の作品を見てもらいたい!
当事者の活動を発表できる場や、多くの人が鑑賞する機会を確保します。

《人材育成》当事者のアート活動を支援したい!
活動に必要な物や場所、人材の紹介、ネットワークづくりのお手伝いをします。

《情報発信》アートをもっと楽しみたい!
県内外の展示会やワークショップの情報発信、県内の活動状況の紹介などを行います。

◆募集中
・アートを活用した取り組みを考えている企業や団体からの相談を受け付けています。
・障害のある人の芸術活動を支援する「アートサポーター」(メルマガ会員)を募集しています。

◎お問い合わせはコチラまで
障害福祉サービス事業所WALKS内
【住所】高松市香川町浅野1032-6
開所時間:水・木曜日 午前10時~午後5時
【メール】kagawamoves@mc.pikara.ne.jp
※相談、問い合わせは24時間メールで受け付けています。確認、返信は開所時間内に行います。
詳しくは広報紙5ページの二次元コードをご覧ください。

問い合わせ先:障害福祉課
【電話】087-832-3292

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